TechInsightsの最高戦略責任者(CSO)を務めるDan Kim氏は「AIバブルの潜在的可能性に関する議論はあるが、現在のメモリ市場の動きは投機的なものではない。これは、純粋な需要と供給の働きだ」と述べる。
「市場は循環的な景気後退の後、2023年から回復し始め、2026年は堅調な成長を維持するとみられる。われわれが現在目にしているのは、GPU/ASICの成長という形で顕在化した、アクセラレーテッドコンピューティングに対する強力な需要だ」(Kim氏)
同氏は「この並外れた成長は、主にデータセンター/クラウド分野で起こっていて、DRAMとNAND型フラッシュメモリ双方の価格上昇の要因となっている」と付け加え、「AIコンピューティングの消費電力量削減に対する強い要求も存在する」と述べた。
これは、より高効率な電力システムを実現するイノベーションが、GPUやメモリ帯域幅のスケーリングと同じくらい重要になってきていることを意味する。
またKim氏は「データセンター分野以外の成長はそれほど急激ではないが、全ての分野が同じファウンドリーの生産能力を奪い合う構図になる。2026年は、非常に興味深い成長市場が形成されていくだろう」と述べる。
一方、TechInsightsのコンシューマーエレクトロニクス部門の責任者であるJack Narcotta氏は「『CES 2026』は、エッジAIがさらに変革的な驚くべき成長を遂げつつあるということを示唆した。コンシューマー市場には常に『Bigger, Better, Faster, More(より大きく、より良く、より速く、より多く)』というフレーズが存在するが、一部の製品は、単なる構想段階にすぎなかった」と述べる。
同氏はさらに、「スマートホーム業界の各社は、AIとの関係やAIの配置場所など、いくつかの根本的な疑問について検討する段階に到達しつつある」と述べる。「AIをデバイスに直接搭載すると、電力/熱関連の課題が生じる。しかし、クラウド通信への依存度が下がることで、よりスムーズかつ高速で信頼性が大幅に高いユーザーエクスペリエンスを提供できる」(Narcotta氏)
またNarcotta氏は「コンシューマー向けAI市場は現在、19世紀の米国西部開拓時代のような無法地帯となっている。NVIDIAのRubinは、データセンター向けであることを踏まえると、CESでそれを発表するのは場違いであるように見えた。しかし、コンシューマー向け企業は、自社製品にとってその機能性がどのような意味を持つのかを理解する必要があるので、波及効果がもたらされるだろう。コンシューマーエレクトロニクスは、現在起こっているマクロトレンドに対してある程度の後れを取る傾向がある」と述べている。
【翻訳:田中留美、編集:EE Times Japan】
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