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カメラベースで雪道をハンズオフ走行、SUBARUとInfineon協業の意義embedded world 2026(2/2 ページ)

» 2026年03月12日 08時55分 公開
[永山準EE Times Japan]
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Infineonは「真の開発パートナー」とSUBARU

 Schaefer氏は、Infineonがどのようにして次世代製品をロードマップの中で定義しているのかについて「われわれは市場のリーダー企業と協力している。彼らは次世代を見据えて要件を共有し、それを当社のロードマップに反映させて新製品を定義している」と説明した。そして、そのパートナーのうちの1社としてSUBARUを挙げ、「SUBARUはカメラベースの安全システムのリーダーだ。コンセプト段階において多くを学び、車両データやセンサーデータをより高速かつ信頼性高く処理するにはどうすればよいのかという具体的な要件を収集してきた」などと語った。

SUBARUの最高デジタルカー責任者である柴田英司氏 SUBARUの最高デジタルカー責任者である柴田英司氏

 SUBARUとInfineonは、SUBARUの現行ADASから協力関係を深めてきたという。SUBARUの最高デジタルカー責任者である柴田英司氏は「両社の協力は長年のもので、単なる顧客とサプライヤーの関係だけではなく、真の開発パートナーとして関係を築いてきた」と強調していた。SUBARUはAURIX TC4xについて「制御統合ECUにおける堅牢なセンサー情報の統合とリアルタイム制御を支える中核技術であり、次世代ADASおよび車両運動制御の進化を支える重要な要素だ」と評価。開発初期段階から設計の最適化に取り組んできたとしている。

 また、柴田氏は今回のプレゼンの中でLiDARやレーダーなしで、主にカメラのみのシステム構成によって、白く滑りやすい雪道をハンズオフで走行するテスト走行動画も公開。「これはまだプロトタイプ段階だが、当社の技術力が既にこのレベルに到達しつつあることは確認できるだろう。今後もADASおよび車両運動制御の開発を継続していく」などと語った。

LiDARやレーダーなしで、主にカメラのみのシステム構成によって、白く滑りやすい雪道をハンズオフで走行するテスト走行動画が公開された LiDARやレーダーなしで、主にカメラのみのシステム構成によって、白く滑りやすい雪道をハンズオフで走行するテスト走行動画が公開された[クリックで拡大]

 なお、SUBARUがAURIX TC4xを選択した理由については「ADASは安全のためにますます多くの機能を必要としていて、高い性能が必要だったほか、低消費電力が重要だった」などと言及。さらなるInfineonの次世代MCUに対する期待としては「建設的な協力関係の継続を期待する。現在は非常に密接に協力し、開発初期段階からの協力によってTC4XはSUBARUデジタルカーの重要な実現要素になった。今後も、早い段階から将来に向けた技術について共に議論し続けたい。例えばイーサネットなど、車内通信の高帯域化といった次世代車両を形作るための技術などが挙げられる」と言及していた。

RISC-V採用の次世代AURIX

 Schaefer氏はさらに「われわれは次世代AURIXの開発を進めている。そのコアアーキテクチャとしてRISC-Vを選択した」と車載RISC-Vマイコンの開発についても触れた。

車載RISC-Vマイコンについて 車載RISC-Vマイコンについて[クリックで拡大]

 同氏はRISC-Vを選択した理由として2つを挙げる。1つは「RISC-Vコアが非常に高い計算性能までスケーラブルかつ、同じ命令セットで極めてシンプルな実装にも対応できること」だ。そしてもう1つはオープンプラットフォームであることで、「イノベーションは特定の人や企業から生まれる。しかしオープン標準であれば、全ての開発者が同じプラットフォーム上でそのイノベーションを活用できる。そのためRISC-Vを選択し、自動車分野でこの技術を先導している。今後さらに多くの企業が同じ方向に進むと確信している」などと語っっていた。

 この他、Marvell Technologyの車載イーサネット事業買収によって「Brightlane」ブランドの製品ポートフォリオであるPHYトランシーバーやスイッチ、ブリッジ製品を拡充した点にも触れた。Brightlane製品ポートフォリオは100Mbpsから10Gbpsまでのネットワークデータレートに対応するもので、Schaefer氏は「将来のSDVでは、イーサネットを基盤とした車内通信の統合が進むと見られている。カメラやディスプレイなどの接続も非同期イーサネットで実現することで、ポイントツーポイント接続を削減し、コスト低減とシステム簡素化につながる可能性がある、われわれはイーサネット機能もMCUに統合していく」とした。

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