図3は過去3世代のJETSONのコンピュータボードの様子である。詳細仕様の説明は省略するが、Voltaアーキテクチャの「XAVIER」、Ampereアーキテクチャの「Orin」、BlackwellアーキテクチャのThorと、3年程度のサイクルで進化を続けている。3世代の基板サイズ、端子位置、端子数など完全に同じもの。同サイズ内で進化を収めているわけだ。プロセッサの微細化でコア数や演算性能があがっても、規準である基板サイズを統一させることでインタフェース基板側との整合性を維持しているわけだ。同じような開発はAppleの「Mac Studio」でも行われている。
図4はThorと前世代のOrinのシリコン比較である。左側のOrinは、Samsung Electronicsの8nmプロセスで製造されている。2025年6月に発売された任天堂の「Nintendo Switch2」と同じ系列のシリコン(コア数などは異なる)で、多くの車載ADASやロボットに採用された大ヒットチップだ。シリコン上の年号は2021年となる。
右側が2025年発売のThorのシリコンの様子である。TSMCの4nmプロセスで製造されており、周波数が30%ほどアップ、CPUやGPU(文字記載していないがTensorコアも)のコア数は増えつつ、シリコン面積は10%程度小さくなっている。面積は小さく、コア数は増えて速くなったという微細化効果が数字で明らかになっている。またメモリ接続チャンネルや、カメラなどと接続するMIPI端子数も増えている。シリコン上の年号は2024年だ。
図5は2025年4Qに発売された、某メーカーの新車に搭載されているADAS対応統合電子制御ユニット(ECU)の様子である。各種カメラやセンサーデータを入力し、認識、判断、操作を行うものだ。車両制御のためのマイコンやEthernetコントローラーなどが周辺機能として基板外側に設置されているが、中央部にはThorおよびメモリ、電源系チップが並んでいる。Thorおよびメモリは、レファレンスボードであるJETSON Thorとほぼ同じものとなっている(サイズ的にも配置的にも)。
本基板は某新車の最新ADAS ECUだが、すでに別のメーカーからも、Thorを搭載したADAS ECUが登場している。Thorはスタートダッシュで採用事例を広げており、2026年には車載ADASや高度なヒューマノイドロボットなどで続々と性能を発揮するものと思われる(市場シェア予測数字は持っているが記載しない)。
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