OKIは、AIサーバ機器の製造を受託する「まるごとEMSサービス」の提供を開始した。電子機器製造受託(EMS)事業や自社製品製造で培った高密度実装や熱マネジメントのノウハウを活用し、AIサーバ機器の歩留まり向上や顧客企業の「持たない経営」への貢献を目指す。同サービスの詳細や、OKIのEMS事業の強みについて、OKI EMS事業部 生産技術部 部長の高齋一貴氏に聞いた。
OKIは2026年3月25日、AIサーバ機器の製造を受託する「まるごとEMSサービス」の提供を開始した。電子機器製造受託(EMS)事業や自社製品製造で培った高密度実装や熱マネジメントのノウハウを活用し、AIサーバ機器の歩留まり向上や顧客企業の「持たない経営」への貢献を目指す。
OKIのEMS事業の強みや、AIサーバ機器のEMSサービスの詳細について、OKI EMS事業部 生産技術部 部長の高齋一貴氏に聞いた。
OKIがEMS事業を始めたのは2002年のことだ。OKI本庄工場(埼玉県本庄市)は長らくNTT向けの電話交換機や通信機器の製造を主力としていたが、海外移管のトレンドなどの影響を受け、それらの製造を行わないことになったのがきっかけだ。工場の設備や人材を活用する方策として、製造受託を始めることにしたという。高齋氏は当時について「工場で制服を着て働いていた従業員が、翌日からスーツに着替えて、ゼロから営業に奔走した」と振り返る。
NTT向けの製品には高性能/高信頼性が要求されてきたことから、OKIには高水準の製造技術が蓄積していた。また、通信機器には仕様の異なる多数の基板を用いることから、多品種少量生産のノウハウも有していた。これを生かし、OKIは高い性能や信頼性が求められ、かつ大量生産は行わない分野をターゲットとしてEMS事業を展開してきた。現在受託しているのは、通信機器や医療機器、半導体検査装置などだ。2025年度にはEMS事業の売上高は659億円に達した。高齋氏は「民生機器は多少の不良品や故障も許容されるが、そうでない市場もある。故障や不良を許さない市場がOKIの得意分野だ」と述べる。
OKIは「製品群」「共通工程」「工場」という単位で製造を受託する「まるごとEMS」サービスを展開している。「製品群まるごとEMS」では、設計から生産までをOKIが担い、顧客は新規製品開発や中核事業の伸長にリソースを振り向けられる。「共通工程まるごとEMS」では、部品調達や棚卸管理、基板実装といったノンコア工程をOKIが担う。「工場まるごとEMS」では、生産機能の全工程をOKIが担う。顧客は工場設備の固定費を変動費化し、経営指標を改善できる。
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