三菱電機は2026年度第1四半期決算で、売上高1兆4971億円、営業利益1443億円となり、いずれも第1四半期として過去最高を更新した。これを受け、2026年度通期の売上高と営業利益の見通しを上方修正した。熊本地震で一時操業を停止していたパワー半導体工場については、生産を再開しており、業績への影響は限定的としている。
三菱電機は2026年7月31日、2026年度(2027年3月期)第1四半期の決算説明会を実施した。売上高は、前年同期比で1842億円増となる1兆4971億円、営業利益は前年同期比で504億円増となる1443億円で、いずれも第1四半期として過去最高を達成した。売上高は、ファクトリーオートメーション(FA)や自動車機器を扱うインダストリー・モビリティ部門や、空調/家電やビルシステムを手掛けるライフ部門を中心に、半導体部門も含めて全セグメントで前年同期を上回った。
半導体部門(セミコンダクター・デバイス部門)も好調で、増収増益だった。売上高は、前年同期比で104億円増となる788億円だった。データセンター向けの通信用光デバイスの需要が堅調に推移したことが主な要因だとする。加えて電鉄/電力、産業向けパワー半導体も好調だった。営業利益は円安の影響や売上構成の変動によって前年同期の89億円から162億円に増加し、営業利益率も13.1%から20.6%に増加した。
FAシステム関連では、特に中国の工作機械で引き合いが強い。その他、半導体メモリ向けも需要が強いという。三菱電機 常務執行役 最高財務責任者(CFO)の藤本健一郎氏は「シーケンサーやサーボなどの需要が強い。地域別で見ると中国での需要増が著しいが、日本もPLC(Programmable Logic Controller)やサーボが伸びている」と語った。FA以外では、熱波の影響もあり、欧州での空調需要が「想定以上に高かった」とした。
26年度通期の業績見通しについては、売上高、利益ともに2026年4月に発表した前回見通しから上方修正した。売上高は6兆2000億円から6兆2700億円に、営業利益は5900億円から6200億円に見直している。
藤本氏は第2四半期以降の見通しについて、「為替条件によっては利益の押上要因になる。現在の受注状況からすると売り上げを上積みできると考えているが、調達面においては供給が逼迫(ひっぱく)しそうな部材もあるので、見極めをしているさなかだ」と語った。
AI/半導体メモリがけん引する需要については、少なくとも2026年度中は継続する見込みだと付け加えた。データセンター用光通信デバイスについては「当初の想定通りの年度売上高になる見込みだが、少しでも上積みしていけるよう、さらに注力していく」(藤本氏)と語った。
決算説明会では、2026年7月28日に発生した地震(令和8年熊本地震)についても言及した。三菱電機は、震度6弱を観測した熊本県合志市および震度5強を観測した菊池市にパワー半導体の工場を有する。地震直後は2工場とも操業を一時的に停止していたが、同年7月30日には生産を再開した。
藤本氏によれば、今回の被害は2006年の熊本地震に比べると軽微だという。「菊池市の工場ではサンプル品を製造している段階であり、合志市の工場も被害の大きさは前回の3分の1〜4分の1くらいではないか。粗い見積もりだが、被害額は10年前の80億円に比べ、何分の1かで済むとみている。前回の地震を教訓に、免震を強化するなどこの10年間、対策を打ってきた」(同氏)。業績への影響は限定的だと述べた。
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