ロームがAIサーバ向けで重視するのはパワーデバイスだけではない。電力を安全かつ高精度に制御するアナログ半導体の需要も拡大すると予測する。
稼働中のサーバから機器を抜き差しする際などに電源を制御するホットスワップコントローラーでは、高電力化に伴って高速かつ高精度な保護機能が求められる。同社は±0.85%の電流/電圧モニターや500ナノ秒の短絡保護などの技術を紹介した。次世代800Vバスバー向けソリューションも開発している。
山口氏は「AIサーバではパワー半導体そのものだけでなく、それをどう制御するかも重要だ。GPUの電力が大きくなると、電流の変動が非常に大きくなる。そこにタイムリーに応答するためのポイントはアナログ制御だ。ゲート駆動やノイズ抑制はデジタルでは制御しきれない部分で、昔からロームがこだわってきた『職人技』の領域だ」と語る。ロームはパワーデバイスとアナログ半導体の双方を手掛けることをAIサーバ市場での強みと位置付けている。
SiCでもAIサーバ向け需要の拡大を見込む。同社は、第5世代SiC MOSFET(5G MOSFET)について、高温環境でのオン抵抗の変化を抑え、スイッチング損失を低減できる点を訴求する。AIサーバでは発熱量が増えるので、温度変化が大きい環境でも安定した特性を維持することが重要になるとしている。
ロームは、AIサーバ向けパワー半導体市場が2030年に約2兆5000億円規模まで拡大すると予測する。2025〜2030年の年平均成長率(CAGR)は48%を見込む。また、AIサーバに搭載される半導体の金額ベースの構成比では、GPU/AIアクセラレーターが65〜70%、HBMが15〜20%を占める一方、パワー/アナログ半導体も10〜15%を占めるとみる。
特にSiCについては、既存サーバと次世代サーバの双方で需要が拡大すると予測し、2025〜2030年のCAGRを50%と見込んでいる。
ロームはSi MOSFET、SiC MOSFET、GaN HEMTといったパワーデバイスに加え、DrMOSやホットスワップコントローラーなどのアナログ半導体、シャント抵抗やシリコンキャパシターなどの周辺部品をAIサーバ向けに展開する。2030年度には、これらAIサーバ向け製品で1000億円超の売上高を目指している。
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