Architect Labsは、EDAプロセスの大部分を迂回することで、チップ設計の高速化を目指している。
「従来のEDAのボトルネックは、例えば100のAIエージェントがチップの異なる部分を並行して設計している場合、100個分の商用EDAライセンスをそろえるのが難しいことだ。われわれはハイブリッド型アプローチを採用し、検証の約90%を商用シミュレーターを使わずに実施する。独自の工夫や自社製シミュレーター、われわれが開発したさまざまな技術を使い、その後、従来のEDAを使ってサインオフを行い、全ての回帰テストをパスすることを確認する」(Hussain氏)
回帰テストとは、VerilogやVHDLなどのハードウェア記述言語(HDL)のコードに変更が加えられるたびに実行される、自動化された検証テストを指す。Architect Labsは、チップ設計の仕事そのものが必ずしも不要になるとは考えていない。
「半導体業界では、そもそもチップ設計エンジニアが非常に不足している。われわれが開発している技術によって、より多くのエンジニアが、より複雑なブロックを担当できるようになると考えている。1つのプロジェクトに必要なエンジニア数は減る一方で、プロジェクト数は増える。シリコンロードマップは、より積極的なものになるだろう」(Hussain氏)
Architect Labsだけがこうした取り組みを進めているわけではない。競合にはChipAgentsやRicursiveがある。ChipAgentsは2026年9月、RISC-VプロセッサIPを提供するAndes Technologyが、プロセッサのカスタマイズ作業に要する期間を8.5週間から6週間に短縮したと発表した。Ricursiveの創業者であるAnna Goldie氏とAzalia Mirhoseini氏は、かつてGoogle Brainに所属していて、数時間でチップレイアウトを生成するAIツール「AlphaChip」を開発した人物だ。EDAツールベンダーのSynopsysも2025年、AIエージェントを活用してチップ設計の複雑さを抑えると説明している。
【翻訳:滝本麻貴/田中留美、編集:EE Times Japan】
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