金沢大学の研究グループは、独Diamond and Carbon Applicationsとの共同研究により、原子層レベルで深さを制御できる「ダイヤモンドエッチング技術」を開発した。ダイヤモンドを半導体デバイスや量子デバイスへ応用するための基盤技術となる。
金沢大学ダイヤモンド研究センターの林寛助教や徳田規夫センター長/教授、大学院自然科学研究科電子情報通信学専攻博士前期課程2年の吉田利紅氏らによる研究グループは2026年10月、独Diamond and Carbon ApplicationsのクリストフE.ネーベルCEOらとの共同研究により、原子層レベルで深さを制御できる「ダイヤモンドエッチング技術」を開発したと発表した。ダイヤモンドを半導体デバイスや量子デバイスへ応用するための基盤技術となる。
ダイヤモンドは、極めて高い熱伝導率や絶縁破壊電界などを有し、究極の半導体材料としてその応用が期待されている。ところが、化学的に極めて安定した材料なので、微細なトレンチ構造を高い精度で形成するのが難しいといわれている。特に、ダイヤモンド(111)面は原子レベルで平たんな表面を形成できるものの、その平たんさを維持したまま深さ方向にエッチングするのは容易でなかったという。
研究グループは今回、原子的に平たんなダイヤモンド(111)表面にTi/Auメタルマスクを形成し、窒素を添加した水素(H2+N2)プラズマによる選択的エッチング手法を開発した。これにより、原子的平たん性を維持したまま、ナノメートルスケールでエッチング深さを制御できることを実証した。
エッチング後の底面を原子間力顕微鏡(AFM)で観察したところ、原子層に対応する段差やピット構造を確認できた。これらの解析結果から、横方向エッチングと縦方向エッチングが組み合わさり、原子層を1層ずつ取り除くように加工が進む「layer-by-layer」型エッチング機構を提案した。この方法を用いれば、原子的に平たんなダイヤモンド(111)面に高精度なトレンチ形成が可能となる。
「世界初」新たなトレンチ型ダイヤモンドMOSFETの動作実証
多様な物体を把持できるロボットハンド開発、金沢大
MOS界面の荒れを改善 低抵抗のダイヤモンドMOSFETを作製
有機材料だけで作る太陽電池、光電変換効率を従来の2倍以上に
直流kV・kAの電力を高速遮断 小型軽量の電力機器
ダイヤモンド表面に光を当ててCO2を還元Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.
記事ランキング