米国の市場調査会社であるiSuppli社が発表した最新の予測によると、太陽光発電に対する政府の固定価格買い取り制度の電力買い取り価格が減る懸念があるにもかかわらず、世界市場における太陽光発電システムの設置数は2011年にも43%成長し、発電量は20.2GWに達するという。
しかし、2011年のこの推定成長率は、98%の成長を記録した2009年と比較すると大幅な減少となるだろう、と同社は述べている。
iSuppli社のシニアアナリストを務めるStefan de Haan氏は、「2011年にはドイツとイタリアで電力固定価格買い取り制度の電力買い取り価格が引き下げられること、またギリシャやイタリア、スペインでは政府が十分な予算を確保していないとの懸念があることから、太陽光発電設備の設置ペースは、2011年のペースは2010年よりも若干鈍るだろう」と述べている。
Haan氏はさらに、一部の専門家が2011年の太陽光発電設備の設置数については懸念を示していることに反して、iSuppli社は依然として2011年にも大幅な成長があるとの予測を維持していると付け加えている。「固定価格買い取り制度の電力買い取り価格の下落と中国元の上昇による悪影響を十分に緩和できるほどに、太陽電池および太陽光発電システム全体の価格が穏やかに下降していくと予測される」(同氏)。
iSuppli社は2010年4月、同年の太陽光発電設備の設置数は、2009年の7GWから93.6%増加し、13.6GWに達するとの予測を発表していた。
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