米半導体工業会によると、2011年第2四半期の世界半導体売上高は、前期比で2%減少した。東日本大震災による影響が大きいとみられている。
米半導体工業会(SIA:Semiconductor Industry Association)によると、2011年第2四半期の世界半導体売上高は、前期(2011年第1四半期)比で2%減、前年同期(2010年第2四半期)比で0.5%減だった。また、2011年6月の世界半導体売上高(3カ月平均値)は246億8000万米ドルで、前月の250億4000万米ドルから1.5%減少した。前年同月比では0.5%の減少になっている。
ここ10年ほどの間、世界半導体売上高は例年、第2四半期の売上高が第1四半期の売上高を2〜3%上回る傾向にあった。今回はこれまでの動きに反して、第2四半期の売上高が第1四半期を2%下回るという結果になった。
SIAは、このように売上高が減少した一因として、日本での売上高が急減したことを挙げている。2011年3月に東日本大震災が発生して以来、日本では懸命な復旧活動が続いたが、半導体売上高の減少は避けられなかった。
日本の半導体市場の不振が、世界全体の売上高を引き下げたことを示す証拠がある。SIAの観測によると、SIAと世界半導体市場統計(WSTS:World Semiconductor Trade Statistics)が調査する地域のうち、日本を除くすべての地域で、2011年の累計売上高が前年を上回っているのだ。
ただし、SIAのプレジデントを務めるBrian Toohey氏は、報道発表資料の中で、「2011年における世界半導体市場全体の売上高は、5.4%の成長率で順調に伸びる見込みだ」と述べている。
なお、SIAと欧州半導体工業会(ESIA:European Semiconductor Industry Association)は、毎月の統計を3カ月移動平均値として発表している。すなわち、ある月の売上高は、その月と過去2カ月の売上高の平均値である。SIAとESIAが売上高をこのような方法で算出する理由は、四半期の初めと終わりに通常みられる、売上高の浮き沈みによるぶれを取り除き、実際の売上高を平均化する狙いがある。
【翻訳:青山麻由子、編集:EE Times Japan】
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