IC Insightsは、景気の低迷を理由に、2011年における世界半導体市場の成長率予測を下方修正した。また、同年前半の半導体売上高ランキングも発表している。
米国の市場調査会社であるIC Insightsは、世界的な景気低迷を理由に、2011年の半導体業界の成長率予測を下方修正した。具体的には、以前の予測では10%増加するとしていたが、今回はそれを5%の増加へと下方修正している。また、2011年におけるIC(集積回路)市場の成長率についても、10%増から4%増に予測を引き下げた。
IC Insightsは、最新の中間リポートの中で、景気低迷の要因として、2011年3月11日に日本で発生した東日本大震災や、中東の反政府運動「アラブの春」、米国における自然災害の急増、米国および欧州の財政赤字に関する問題など、さまざまな事象を挙げている。これらによって、2011年前半における世界経済の四半期成長率は、前年比で大幅に縮小し、さらに世界のエレクトロニクス市場および半導体市場の成長の鈍化にもつながったとしている。
IC Insightsのプレジデントを務めるBill McClean氏は、リポートの中で、「こうしたマイナス要素となる事象はいずれも、それ自体が深刻な影響を及ぼすものではない。しかし複数が組み合わさったことにより、2011年前半の世界経済を著しく低迷させる要因となった」と述べている。
またIC Insightsは、リポートの中で、2011年前半における半導体売上高ランキングのトップ20社を新たに発表した。首位に立ったのはIntelで、売上高は238億900万米ドルだった。第2位のSamsung Electronicsの166億8100万米ドルに43%の差をつけて、大きくリードを広げた(図1)。
IC Insightsは、「2011年前半における上位20社の半導体の総売上高は、2010年前半に比べて8%の増加になっている」と述べている。
【翻訳:田中留美、編集:EE Times Japan】
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