DRAMモジュールの価格が下落している。2011年7月における2GバイトのDRAMモジュールの価格は、前月比で約16%下落した。30nmプロセスを用いた最先端のDRAMでさえ、損益分岐点に近い状況だという。
市場調査会社である台湾のTrendforceの調査部門であるDRAMeXchangeは、「2Gバイト(GB)のDRAMモジュールは、2011年7月の契約価格が、前月比で約16%下落した」と発表した。2011年下半期のDRAM市場は、厳しい状況になりそうだ。
DRAMeXchangeによると、DRAMの価格は2010年7月には上昇傾向にあったが、2011年7月は上昇がみられないという。
PC1台当たりのDRAM搭載容量はあまり増加がみられない上に、PCの出荷台数の予測値も下方修正されている。さらには、世界的な景気低迷も続いている状態だ。DRAMeXchangeはリポートの中で、「DRAMの価格は回復の兆しがまったくみられず、こうした要因によって予想を上回る速さで下落した」と述べている。
DRAMeXchangeによると、DRAMの価格下落は、世界的な金融危機が底を打ってから2年後に始まったという。DRAMメーカーにとっては、不意打ちをくらった形だ。価格の下落により、30nmプロセスを用いた最先端のDRAMでさえ損益分岐点に近い状況となっている。すなわち、DRAM製造メーカーは、製造コストをわずかに上回るだけの価格に設定しているということだ。
<訂正>記事掲載当初、タイトル中に「2GB品は1カ月で16%減に」、またその下の要約文の中に「2GビットのDRAMモジュール」とありましたが、正しくは「2Gバイト品は1カ月で16%減に」、「2GバイトのDRAMモジュール」です。さらに、本文中にも「2Gビット(GB)のDRAMモジュールは、2011年7月の契約価格が、前月比で約16%下落した」とありましたが、これも「2Gバイト(GB)のDRAMモジュールは、2011年7月の契約価格が、前月比で約16%下落した」の誤りでした。本記事は、既に修正済みです。なお、本記事が引用しているDRAMeXchangeのリポートでは、DDR 3対応の2Gb(ビット)DRAMの2011年7月における平均スポット価格が1.62米ドルで、これも前月比で16%低下していると伝えています。
【翻訳:田中留美、編集:EE Times Japan】
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