LED市場をけん引するのは、やはり照明分野である。照明用LEDの売上高は増加の一途をたどるとみられている。2011年には、街路灯用LEDでは中国が、LED電球では日本が、世界最大の市場になるという。
LEDの用途は拡大し続けているが、最も一般的なのは、やはり照明用だろう。2011年における照明用LEDの売上高は、前年比で20%増加するとみられている。
米国の市場調査会社であるDisplaySearchによると、2010年における、液晶ディスプレイのバックライト用および照明用のLEDの売上高は72億米ドルだった。2014年には127億米ドルに達する見込みだという。同社は、「需要の高まりが、照明用LEDの売上高の増加を後押ししている」と説明する。
DisplaySearchは、2011年にLEDの世界生産量が1800億個に、2013年には2270億個に達すると予想している。また、LED照明の普及率は、2010年は1.4%だったが、2014年には9.3%に増加すると見込んでいる。
政府の政策によってLED街路灯の導入が進む中国では、2011年に同分野で最大の市場になるとみられている。2011年において、中国での街路灯用LEDの売上高は、世界市場全体の55%を占めている。2014年にはわずかに減少し、50%になる見込みだという。
一方、LED電球の分野では、日本が2011年に最大の市場になると予測されている。実際に、現時点における日本でのLED電球の売上高は、世界市場全体の63%を占める。ただし、その後2014年には40%に減少する見込みだ。日本では東日本大震災の影響によって電力使用の制限や節電に取り組んでいるため、照明用LEDの普及率が高い。
また、LEDの供給について、DisplaySearchは、「2011年以降は、台湾が韓国を追い抜いて世界最大の供給国になる」との見解を示している。
なお、DisplaySearchは、LED市場の需要と供給について予測したリポートを、3カ月ごとに発表している。
【翻訳:青山麻由子、編集:EE Times Japan】
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