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「一挙手一投足」を可視化します、センサーちりばめたスマートなスーツが試作センシング技術

STマイクロエレクトロニクスが試作した「スマートスーツ」は、スポーツ競技の有名選手と擬似的に一緒にプレイするといった拡張現実アプリケーションの開発にも使える。

» 2012年01月27日 11時56分 公開
[前川慎光,EE Times Japan]

 人体の複雑な動きや細やかな動きを正確にモニタリングできます――。モバイル機器を対象にしたMEMSセンサーの大手ベンダーであるSTマイクロエレクトロニクスは、複数の統合モーションセンサーを貼り付けた「スマートスーツ」を試作した。

 競技者や患者の動きを把握するといったスポーツ/臨床の用途を想定している他、スポーツ競技のアマチュア競技者が世界チャンピオンと擬似的に一緒にジョギングするといった拡張現実アプリケーションの開発に活用できる。

 スマートスーツには、加速度センサーとジャイロセンサーを1パッケージ化したモーションセンサーと地磁気センサー、32ビットマイコンを、13×13×2mmの小型基板に実装した統合モーションセンサー(iNEMOモーション・コプロセッサ)が、幾つも貼り付けられている。この統合モーションセンサーを、同社が開発した高度なデータ処理ソフトウェアと組み合わせることで、「業界最初サイズかつ、(このサイズ)で最高性能の姿勢方位基準システム用モジュールとして使える」という。

 統合モーションセンサーで測定および処理したデータは、PCに送られる。このデータをPC上で、人体のグラフィックスケルトンモデルに当てはめることで、人体の動きをリアルタイムに可視化できる。同社が実施した大規模な実証試験の結果によれば、動作中の角度誤差は0.5度以内、集録したセンサーデータを処理して人体モデル化するのに必要な時間は15ms未満だったという。

 なお、今回のスマートスーツは、同社の統合モーションセンサーのさまざまな利用シーンを提案するために試作した。顧客には、統合モーションセンサーとデータ処理ソフトウェアを商品として提供する。

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