出向や異動などで、開発や設計から一時的に離れることになっても、その経験は決して無駄にはなりません。若い時の経験に「ロスタイム」はないのです。“遠回りしてもいい”のだと若手エンジニアに教えることも、上司の役目ではないでしょうか。
皆さん、こんにちは。あけましておめでとうございます。本年もよろしくお願いいたします。
プロフェッショナルなエンジニアを育てたい一心の田中課長は、開発プロジェクトが一段落した佐々木さんと話をしています。田中課長は、これまでの人材育成の反省も踏まえて、若手にどんなエンジニアに育ってもらいたいかを語ります。また、後半は筆者自身の体験から、「若い時の経験に無駄なことは何もない」ことをお伝えします。
田中課長、ちょっと変な質問をしてもいいですか?
何だい?
なぜ、僕みたいな2年目の駆け出しエンジニアに、技術だけでなくマーケティングも学ぶ機会を与えてくれるのですか?
質問に質問で返すようで申し訳ないが、数カ月前のように、長谷川リーダーの下で仕事をしている時はどうだった?
設計を教えてくれるわけでもなく、実験の手伝いやデータ取りばかりで使いっパシリのようでした。
それは君にとって、無駄なことだったと思うかい?
その当時は、まだ設計には自信がなかったし、最初の1年間はそういうもんかなとも思っていました。
それで、今はどうだい?
今回、ボード設計を任され、初めて設計業務に携わることができましたが、結局、データ取りや温湿度サイクル試験などは避けて通れないので、使いっパシリのようだった時期も良い経験にはなったと思っています。
そうか、それは良かった。では、今度は僕が君の質問に答える番だね。
はい!
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