社長交代から1年。新しいトップの下、再建に取り組むパナソニックは、より幅広い事業を展開する方向にかじを切っている。対象は、太陽光発電から自動車、航空電子機器、ネットワークコンテンツまでさまざまだ。パナソニックの救世主となる事業は、どれなのだろうか。
パナソニックは、今なお、世界的に認められた家電ブランドだ。
同社は、2012年6月に代表取締役社長に就任した津賀一宏氏の指揮の下、全社を挙げて再建に取り組んでいる。
津賀氏は「低迷しているテレビ事業では、パナソニックを救うことはできない」として、より幅広い事業を展開する方針を示した。「太陽光発電から自動車、航空電子機器、家電製品まで幅広い事業を展開すれば、利益率の低い大量消費市場の中にとどまることなく、さらなる飛躍を実現できる」と同氏は説いている。
実際、パナソニックは、欧米諸国が気付かないうちに、さまざまな市場に向けて事業を拡大してきた。「本来の事業に集中していない」と、同社を批判するのは簡単だ。だが、津賀氏は、パナソニックがこれまで手掛けてこなかった家電以外の製品や技術をつなぎ合わせ、新しい事業として展開していくことに勝機を見いだしている。
米国の市場調査会社であるEnvisioneering Groupでリサーチディレクタを務めるRichard Doherty氏は、「パナソニックは、世界中に数多くの研究施設を構える他、再生エネルギーやヘルスケアの分野でもさまざまな製品や強力なIP(Intellectual Property)を有している」と述べる。
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