ミツミ電機は、自社開発のMEMSミラーを使用したレーザープロジェクションタイプのヘッドアップディスプレイ(以下、HUD)のデモを展示した。従来のHUDはフロントガラス面に映像が投影されるものが多いが、展示されたシステムでは、フロントガラスの向こう側に浮かび上がる形で映像が表示される。
ミツミ電機は、「CEATEC JAPAN 2013」(2013年10月1日〜5日、幕張メッセ)で、自社開発のMEMSミラーを使用したレーザープロジェクションタイプのヘッドアップディスプレイ(以下、HUD)のデモを展示した。従来のHUDはフロントガラス面や透過型スクリーンに映像が投影されるものが多いが、展示されたシステムでは、フロントガラスの向こう側に浮かび上がる形で映像が表示される。
ミツミ電機は以前から、自社でプロジェクターなどに応用可能なMEMSミラーの開発を実施してきた(関連記事:ミツミ電機がMEMSミラーを開発、フォーカスフリーのプロジェクタを実現可能に)。今回、自社のMEMSミラーの応用例の1つとして、レーザープロジェクションタイプのHDUのデモを披露した。
システムは、MEMSミラーの他、MEMSドライバICやシステム制御ICなど主要デバイスを自社開発して実現した。MEMSミラーにRGB(赤、緑、青)の3色のレーザーを当てて映像を作成。その映像を、ミラーなどの光学系部品を介して、投影するもの。
デモでは、投影された映像が、フロントガラスより、数十センチ先に浮かび上がるように見え、より自然な形でナビゲーションなどの情報が視界に入る。レーザー光源の出力などにもよるが「明るい場所でも、十分に認識できる輝度、コントラストが実現できている」(説明員)という。
「フロントガラス面などに投影する場合、ガラスの形状などにより映像が歪むが、このレーザープロジェクションシステムであれば、映像に歪みがなく映し出せる。画角も広い点も特長で、横から見る場合でも情報がハッキリ確認できる」(説明員)とした。
今後、ミツミ電機では、高温環境下での動作確認など信頼面でのテスト、改良を進め、実用化を目指していく方針。
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