半導体デバイス、強いては、電子機器の進化を支えてきた半導体製造プロセスの微細化技術。ここにきて、微細化の代名詞である「ムーアの法則」の限界も叫ばれるようになったが、2014年はまだまだ微細化技術は健在だ。
2014年、プロセッサなどシステムLSIは、いよいよ20nmを切り、「14nmプロセス時代」が到来する。インテルが、FinFETを用いたプロセスでは2世代目となる14nmプロセス採用プロセッサを発売し、同プロセスを用いたFPGAの生産なども始まる見込みだ。インテル以外にも、TSMCやGLOBALFOUNDRIESといったファウンドリも14〜16nmプロセスによる生産をスタートする。同時に、2016年にも量産が計画されている10nmプロセスに向けた技術開発も本格化していく。
FinFETではなく、完全空乏型SOI(FD-SOI:Fully Depeleted Silicon-on-Insulator)技術を用いたプロセスの微細化も進展し、20nm世代での生産が見込まれる。
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スマートフォンの出荷増に支えられ、堅調に需要が伸びるNAND型フラッシュメモリは、2013年に「1Xnm世代」と呼ばれる10nm台後半のプロセス採用品が量産され、2014年は「1Ynm世代」とされる10nm台半ばのプロセス採用品が登場する。それとともに、いよいよメモリセルを垂直方向に積層した3次元NANDの製品化が相次ぐ見込み。既にサムスン電子が3次元NANDの量産を発表済みで、2014年は東芝など各社が3次元NANDの投入を予定している。
次世代型不揮発性メモリの開発も盛んだ。MRAM(Magnetic RAM:磁気メモリ)、PCM(Phase-Change Memory:相変化メモリ)、ReRAM(Resistive RAM:抵抗変化型メモリ)、FeRAM(Ferroelectric RAM:強誘電体メモリ)といったさまざまなメモリの開発が進む。だが、どの技術がDRAMにとって代わる存在となるかは、依然としてハッキリせず、2014年も目が離せない。
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