webOSは、旧Palmが開発したモバイル向けのOSだ。Palmを買収したHPがwebOS関連事業を切り離し、その後LG Electronicsの手に渡り、ようやく、再び日の目を見るチャンスが訪れたようだ。
LG Electronicsが、webOSに新たな息吹をもたらすかもしれない。webOSは、現在HPの一部門である旧Palmが開発したモバイル向けOSだ。HPは2010年にPalmを12億米ドルで買収したあと、webOSを搭載したスマートフォン/タブレット端末の開発プロジェクトを進めていたが、経営面での問題からわずか1年でプロジェクトを中断し、webOSの事業を切り離している。その後、2013年3月にLGがwebOS関連の資産を買収した。
webOSは、こうした困難に直面しつつも、LGの新型スマートテレビ向けプラットフォームのOSとして採用されることになった。
LGは2014年1月6日、今後発表予定の新型スマートテレビの50%以上にwebOSを搭載するという計画を発表した。
LGのCTO(最高技術責任者)を務めるScott Ahn氏は、「webOSは、よりシンプルなスマートテレビを実現する上で不可欠だ。webOSを搭載することで、『Simple Connect(すぐにつながる)』『Simple Switching(すぐに切り替わる)』『Simple Discovery(すぐに見つかる)』という3つのメリットを提供できる」と述べている。
また、アニメキャラクターを採用した新しいユーザーインタフェースを提供し、接続の設定などにおいて非常に分かりやすいユーザーサポートを実現していくという。
しかし、実際にスマートテレビの操作をどれくらい簡素化できるのかは、まだ不明だ。
スマートフォンは今や、携帯電話機市場において圧倒的な優位性を獲得するまでに成長した。一方、スマートテレビは、世界中に旋風を巻き起こしているとは言えない状況にある。リラックスしてテレビを見たいと考えている視聴者にとって、スマートテレビの操作は難し過ぎると感じるようだ。
ここ数年にわたり、Appleが新型のApple TVを投入するのではないかといううわさが絶えず流れている。熱烈なAppleファンの期待通りの新型Apple TVが実現すれば、テレビのユーザーエクスペリエンスが決定的に変わる可能性もある。
また、Intelも負けじと2013年初めに、IPTVサービスの開発に着手することを発表した。カスタムソフトウェアとハードウェアプラットフォームを搭載することにより、ユーザーに直接サービスを提供できるというものだった。しかし同社は、それから1年も経たないうちにこの計画を中止している。また、Intelが、米国の大手携帯電話事業者であるVerizonとの間で、IntelのIPTV開発プログラムを含むメディア事業部門を売却する方向で話を進めているとする臆測も流れている。
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