Fairchild Semiconductor(フェアチャイルドセミコンダクター)は、製造工場の一部を閉鎖すると発表した。5インチウエハーでの製造ラインを廃止し、6インチウエハーでの製造ラインも縮小する。
電源管理ICなどを手掛けるFairchild Semiconductorは、これまで積極的に進めてきたコスト削減策の一環として、同社の2工場を閉鎖する予定であることを発表した。
同社によると、2015年までに5インチウエハーを使った製造ラインを廃止し、6インチウエハーでの製造ラインを縮小する予定だという。これに伴い、米国ユタ州ウェストジョーダンとマレーシアのペナン州の製造/組み立て工場の他、韓国の富川(Bucheon)にある5インチウエハー製造ラインを閉鎖するとしている。工場および製造ラインの閉鎖は、2014年第2四半期から第4四半期にかけて行う予定だ。
Fairchildによると、米国メーン州サウスポートランドとペンシルバニア州マウンテントップの8インチウエハー製造工場の他、韓国の6インチ/8インチウエハー製造工場については、今後も引き続き稼働させる予定だという。また、フィリピンのセブと中国蘇州市の組み立て/テスト工場の稼働も継続するとしている。
同社のチェアマン兼チーフエグゼクティブを務めるMark Thompson氏は、発表資料の中で、「今回発表した再編計画に基づき、8インチウエハー製造工場を最大限に利用することができれば、当社の製造過程における複雑性を低減できるとみている。さらに、外部の製造資源を積極的に利用していくことで、顧客企業の需要に対応していくための柔軟性を生み出すこともできる」と述べている。
Fairchildによると、今回のコスト削減策が完了すれば、年間4500〜5500万米ドルの節減効果があるとしている。同社は、今回の再編などの費用として約3600万米ドルを見込む他、非現金費用として2500万米ドルを計上する予定だ。
Fairchildはこれまで、製造過程を改善するための戦略を実施してきた。
米国の証券取引委員会(SEC:Securities and Exchange Commission)に提出された報告書(Form 10-Q)によると、Fairchildは2013年に、ユタ州ソルトレイクシティの8インチウエハー製造ラインを閉鎖して、韓国とペンシルバニア州マウンテントップの8インチウエハー製造ラインに移管している。また、同社は2014年初めに、「モバイル機器やグリーン(地球環境配慮)電子機器などに向けた統合型の電源部品に関する取り組みに再び焦点を絞り、製品リードタイムを短縮したい」と発表している。
Thompson氏は、アナリスト向けに行った決算発表の中で、「当社は、事業活動やサプライチェーン、マーケティングなどの改善に取り組み、売上高や業績を着実に伸ばしてきた」と述べている。
Fairchildの2014年第2四半期(4〜6月期)の売上高は3億7160万米ドルで、前四半期から8%増加している。前年同期比では4%の増加となった。同社は、2015年末までには、利益率を約40%に高めたいとしている。同社の利益率は、2013年第2四半期には29.1%、2014年第1四半期には30.3%、そして2014年第2四半期には33.4%と、上昇の一途をたどっている。
【翻訳:田中留美、編集:EE Times Japan】
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