こうした照明技術を融合したものが、東京スカイツリーの照明だ。コンセプトカラーである紫や青などを、照明デザインを担当した戸恒浩人氏のイメージ通りに再現すべく、ハード(LED照明)とソフトの技術を提供した。東京スカイツリーにはおよそ2000台のLED照明器具が搭載されている。東京スカイツリーの下から、140m上の部分を任意の角度で照らせるもの、フルカラー演出ができるようにRGBのLEDを6個ずつ搭載したものなど、演出に合わせたLED照明器具が配置され、先述した光のスペクトル/色/時間制御技術などが使われている。
【東京スカイツリー概要】事業主体:東武鉄道株式会社・東武タワースカイツリー株式会社、設計・監理:株式会社日建設計、照明コンサルタント:有限会社シリウスライティングオフィス(デザイン・シミュレーション)、施工:株式会社大林組、ライティング機器施工:電気興業株式会社
ライティング事業の売り上げについては、2013年度の3225億円を、2018年度に4000億円に伸ばすことを目標にする。
現在、国内のLED照明器具/LED電球市場では、35〜40%ほどのシェアを持つ(パナソニック エコソリューションズ社推定)同社は、中国、東南アジア、インド、欧米など海外展開に注力していく。ただ、同社によれば照明への要件は国や地域によって大きく異なるので、そうしたニーズにいかに応えていくかが重要になりそうだ。美光色は、日本人の肌の色が美しく見えるように設計されているが、それを世界展開するとなると、肌の色の違いの他、「どういう肌色に見えるのが好ましいのか」という好みの違いも考慮しなくてはならない。そのため、波長を調整する研究も続けていくという。
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