インターシルは、1パッケージで出力電流が最大50Aのデジタル電源モジュール「ISL8272M」を発表した。最新のFPGAやASIC、プロセッサなどの電源用途に向ける。
インターシルは2015年3月17日、1パッケージで出力電流が最大50Aのデジタル電源モジュール「ISL8272M」を発表した。最新のFPGAやASIC、プロセッサなどの電源用途に向ける。
ISL8272Mは、デジタル電源コントロールICとパワーMOSFET、およびインダクタなどの周辺部品を1パッケージに集積した降圧電源モジュールである。入力電圧は4.5〜12Vで、最大50Aの出力電流を得ることができる。「1パッケージにしたデジタル電源モジュールで50Aの出力電流を達成した製品は業界で初めて」と、同社は主張する。ISL8272Mは最大4個を並列に組み合わせて動作させることができ、最大200Aまで出力することが可能となる。
ISL8272Mは、位相補正用の回路部品などを1パッケージに内蔵しており、外付けするのは入力/出力用コンデンサなどわずかな部品で済む。このため、部品点数の削減とともに回路基板の設計を容易にし、信頼性も高めることができるという。また、PMBusインタフェースを介して、ホストプロセッサ側から電源投入のシーケンス制御を始め、温度や電流、故障状態などシステム監視を行うことが可能である。
最大4個のISL8272Mを並列に組み合わせて用いる場合は、独自のDDCバスを活用して、各ISL8272Mの立ち上げタイミングのスケジューリングやカレントシェアリングを行うことができる。カレントシェアリングの機能を用いると、複数個の電源モジュールを並列動作させている時に、1個の電源モジュールで不具合が生じても、残りの正常な電源モジュールでその分を補い、合計の出力電流を確保することができる。この結果、「複雑な電源回路を搭載したシステムでも、99.999%の稼働率を確保することが可能となる」と主張する。
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