VLSI Circuitsシンポジウムは、LSIの回路技術に関する国際会議である。今年のプログラムでは、「14nmおよびそれ以降の回路技術」や「3Dスタック型イメージセンサーの設計技術」などが注目されているという。さらに、センサーノードや医療用モニターなどのシステム、有線通信インタフェースにおける電力効率の高い回路方式、無線通信における干渉防止技術といった論文が会場で紹介される予定である。
基調講演は、日立製作所の技師長を務める矢野和男氏が、「Principle of Marking Money with IoT:Very-Large-Scale Happiness Integration(IoTでお金を得る原理:超大規模幸福集積)」について、Robert Boschの副社長を務めるMichael Fausten氏が、「The Brain of Automated Driving-Electronics for the vehicle of tomorrow(自動運転の頭脳−明日の乗り物向けエレクトロニクス)」について、それぞれ講演する。
今回のVLSI Circuitsシンポジウムは、投稿件数が348件となり、前回の京都開催(2013年)に比べて48件減少した。採択件数は114件で、採択率は33%となった。分野別の傾向は、センサー/バイオ/ヘルス関連、パワーマネジメント分野の投稿は堅調に推移する。これに対して、デジタル回路や無線通信関連の投稿は減少した。
採択論文を国別にみると、米国からの論文数が62件に達するなど他を圧倒している。特に大学からの論文採択が増加しているという。続いて韓国の12件、日本の11件、台湾の10件と続く。機関別では、トップのミシガン大学からKAIST、UCバークレー、UCLAと大学からの論文が上位4位までを占める。特に、ミシガン大学の採択件数は12件に達した。1つの機関で2ケタの論文が採択されるのは最近では珍しいことである。こうしたことから、全体の採択件数の約7割を大学からの論文が占めることとなった。
分野別の採択論文数の中で、日本の採択数を見ると、プロセッサ・アーキテクチャ部門では、日本からパナソニック、NTT、東北大学と3件が採択された。また、センサー/バイオ/ヘルス分野でも、オリンパス、東北大学、北海道大学からの論文が採択された。
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