2015年6月に開催される国際学会「VLSI Technologyシンポジウム」と「VLSI Circuitsシンポジウム」の概要が明らかになった。IoT(モノのインターネット)社会の実現に向けたLSIのデバイス技術と回路技術などに関して、最先端の研究成果が披露される予定である。
LSIの最先端技術に関する国際会議「VLSIシンポジウム」委員会は2015年4月20日、東京都内で会見し、205年6月に京都のリーガロイヤルホテル京都で開催する「2015 Symposium on VLSI Technology」(以下、VLSI Technologyシンポジウム、6月15〜18日開催)と、「2015 Symposium on VLSI Circuits」(以下、VLSI Circuitsシンポジウム、6月16〜19日開催)について、その概要を発表した。
VLSIシンポジウムは、デバイス技術と回路技術の両面から、先端LSI技術に関する研究成果が発表される国際会議である。ハワイと京都で交互に開催され、今年で35周年を迎える。中でも、VLSI TechnologyシンポジウムとVLSI Circuitsシンポジウムの「ジョイントフォーカスセッション」は、デバイス・プロセス技術と回路技術の融合領域に焦点を当てるなど、同シンポジウムならではの企画となっている。本稿では、両シンポジウムの概要や注目論文を紹介する。
VLSI Technologyシンポジウムは、LSIのデバイス技術に関する国際会議である。今年のプログラムは、「14nm世代SoCプラットフォーム技術」や「RFパワーアンプ」、「高信頼不揮発性メモリ」など、SoCとその関連技術で注目論文が目立つ。「7nm世代のインターコネクト技術」や「3次元集積技術」なども紹介される予定だ。
基調講演は、産業技術総合研究所ロボットイノベーション研究センターで、研究センター長を務める比留川博久氏の「Robotics for Innovation(イノベーションのためのロボット技術)」と、GoogleのEric Shiu氏とSimon Prakash氏による「System Challenges and Hardware Requirements for Future Consumer Devices:From Google Glass to Chrome Books and Devices in-between(将来のコンスーマデバイスに向けたシステムの挑戦とハードウェアへの要求:グーグルグラスからクロームブック、そしてデバイスまで)」の2講演が予定されている。
今年の投稿論文数は171件で、この中から68件が採択された。採択率は40%である。前回の京都開催(2013年)では東日本大震災の影響もあり、投稿論文数が大きく減少したが、それに比べると今回はわずかに回復した。
投稿論文件数を地域別にみると、2015年は米国49件、日本27件などとなった。2014年に比べてEUや韓国、中国が大幅に件数を減らした。採択論文件数を国別でみると、米国が24件と1位で、日本は16件で2位、これに続きベルギーが10件の採択件数となり3位となった。
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