NXP SemiconductorsによるFreescale Semiconductor買収のニュースは、半導体業界で大きな話題となった。現在両社は、合併に向けて着々と準備を進めているという。FreescaleのCEOであるGregg Lowe氏に、NXPとの合併について詳細を尋ねた。
Freescale SemiconductorのCEO(最高経営責任者)であるGregg Lowe氏は、2015年4月23日(米国時間)に業績発表を行い、前四半期に続き売上高とシェアが堅調に伸びていることを明らかにした。さらに、近々NXP Semiconductorsとの合併*)を予定していることについて、確固たる自信を持って語った。
NXPは、Freescaleの買収を2015年末までに完了させる予定だとしている。NXPは、世界20カ国以上に2万7800人の従業員を抱える。Freescaleは1万7000人だ。
このような大規模な合併は、あらゆる企業にとって決して簡単なことではない。しかし両社は、ほんの2カ月前に今回の合併を発表して以来、驚くほど素早い動きを見せている。
Lowe氏によると、両社とも既に、合併に向けた準備を進めている最中だという。合併プロセスの管理者として、NXPは2人の担当者を、Freescaleは同社のバイスプレジデント兼CIO(最高情報責任者)であるKaren Rapp氏を、それぞれ任命している。
「明確な目標に向けて業務の流れと目的を決定し、基礎を築いていくことができるよう、両社から十数人の担当者を任命した。このように前進していることについて、NXPのCEOであるRick Clemmer氏と共に大変うれしく思っている」(同氏)。
Lowe氏は、合併に伴って生じる課題の規模について問われると、「上層レベルに関しては、今のところ特に大きな問題は生じていない。しかし、こまごまとした個々の課題については、今後両社で膨大な量への対応が必須になるだろう」と述べている。
同氏は、今回のような合併契約によって、さまざまな懸念が生じる可能性があることを認めている。「個人的な経験から、意思決定を行って発表することにより、不確実性が低下していくと考えている」(同氏)。
同氏は、「Clemmer氏に直属する新しいシニアマネジメントチームを設立したが、これについては既に、NXP/Freescale両社の世界各国の全従業員に向けた発表を済ませている。組織が団結するに伴い、次々と新しい声明を発表することが可能になる」と付け加えた。
さらに同氏は、「Freescaleの1万7000人の従業員と顧客企業各社は、NXPとの合併に向けて気持ちを高めている。NXPは、精力的かつ前向きな熱意を持って、明確な目標のもとに取り組みを進めている。われわれはこのようなNXPに対し、深い感銘を受けた」と述べている。
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