McKinsey & Company(マッキンゼー・アンド・カンパニー)と半導体の業界団体であるGlobal Semiconductor Alliance(GSA)が、IoTに関するリポートを共同で発表した。リポートでは、「不確定要素が多いIoT市場では、半導体メーカーは“保険”的な戦略を取るべきだ」と指摘している。
2015年5月12〜13日に米国カリフォルニア州サンフランシスコで開催された「Internet of Things World 2015」に集まったIoT(モノのインターネット)業界関係者は、IoTという魔力に取りつかれているようだった。筆者は、展示フロアからたくさんのツイートを投稿した。だが、心の中では、「IoTの真実というものを、まったく伝えられていないのでは」という疑念を抱いていた。
記者として、それは恐怖にも似た最悪の気分だった。こうした気持ちを抱えたまま、筆者はサンフランシスコを後にして、中国行きの飛行機に乗った。
長旅には、良い点もある。その1つが、それまで時間がなくて目を通せなかった資料を読む時間を取れることだ。
積み重ねた資料の一番上にあったのが、米国のコンサルティング会社McKinsey & Company(マッキンゼー・アンド・カンパニー)と半導体の業界団体であるGlobal Semiconductor Alliance(GSA)が2015年5月に共同で発表した「Internet of Things(IoT)Report」だ。
このリポートは分かりやすくまとめられていて、ためになるものだった。さらに、IoTとその課題に対する懸念を検証すると共に、いくばくかの解決策も提示している。ここ数年間、半導体業界の関係者はIoTに関する懸念を抱いてきたが、それをはっきりと表明する人はほとんどいなかった。
同リポートは他の市場調査会社のIoT予測と違い、半導体業界に特化した内容になっている。リポートの中で、GSAのメンバー会社の幹部らは、IoTを単に称賛するのではなく、驚くほど率直で洞察に満ちた見解を示していた。
半導体業界の関係者は皆、「2020年には500億台のデバイスがインターネットにつながっている」というCisco Systemsの有名な予測の実現を期待しながら、そうした未来を実現する方法を模索している。
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