この糸は3D技術を使って紡ぐ。その糸で織った布にマイクロコントローラを接続することで、低消費電力のタッチパッドのように機能する。この糸は消費電力が低く、「衣服に織り込まれた糸は、約1週間、電力を保持できる」(Schwesig氏)という。同氏は、「エネルギーハーベスト(環境発電)を採用したスマート衣服は素晴らしいことだが、ATAPは今のところそれは考えていない」と述べている。
Googleは、スマートファブリックを使ったデモを行い、布を触って照明をオンにしたり、スマートフォンの音楽を再生したりする様子を披露した。Schwesig氏は、「導電性のある糸は既に自動車の内装に使用されているが、Project Jacquardは、さまざまな用途に適用できる、より一般的な技術である」と述べている。
Jacquardのプロトタイプは日本の布地メーカーで製造した。今後は、米国ジーンズメーカーのLevi Strauss(リーバイ・ストラウス/リーバイス)と協力して、布地とデジタル世界の“橋渡し”となるべく、スマートファブリックを大々的に開発していくという。
Googleは、タッチスクリーンをスマートファブリックに置き換えるといったことを狙っているわけではない。ATAPチームを率いるIvan Poupyrev氏は、「Jacquardのスマートファブリックが、デザイナーがより自由な表現をするための手段になればいいと考えている」と語る。
Schweisig氏によれば、スマートファブリックの実用化の時期については特に定めていないという。今後も5〜10人のチームで製造に向け開発を進めていくとしている。
【翻訳:滝本麻貴、編集:EE Times Japan】
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