韓国電気研究院(The Korea Electrotechnology Research Institute)は2014年8月、「布状の色素増感型太陽電池」を開発したと発表した。
韓国電気研究院(The Korea Electrotechnology Research Institute/以下、KERI)は2014年8月21日、KERIナノ融合技術研究センターのチャ・スンイル、イ・ドンユン氏のグループが、次世代太陽電池の1つとされる「布状の色素増感型太陽電池」を開発したことを明らかにした。
チャ氏らのグループは、金属とセラミック纎維を利用し、太陽電池の電極(陰極と陽極)構造を織機で織り出した後、スクリーン印刷で光電極と色素を印刷して布状の太陽電池を作り出した。
この布状太陽電池は、布のように柔軟で裁縫や裁断が可能なことが特徴だ。使用環境や応用対象に合わせたさまざまな柄に適用することもできる。
特に、織機で織り出した太陽電池の電極を、実際の衣類に付着したり、布製造の際に挿入することが可能なため、応用範囲が非常に広い。
現在、この布状太陽電池の開発技術は、先進国の中でも競争が過熱している。しかし、織機の工程段階で、纎維に加えられる張力(引く力)と摩擦力が問題になり、布への適用は難しかった。
チャ氏らのグループは、太陽電池の電極を織機で織り出し、そこにスクリーン印刷を結合する方式で布状太陽電池を完成させた。
布状太陽電池とそれに該当する技術は、Googleグラスのようなスマートグラス、スマートウオッチなど先端ウェアラブル機器のバンドやストラップなどに使える他、電源などにも活用できる。キャンプ用電源や太陽電池カーテン、将来的には軍事用携帯電池などにも応用できると期待されている。
チャ・スンイル博士は、「世界で初めて布状太陽電池を開発したが、密封技術や伝達技術、効率最適化など商品化するまでには解決しなければならない課題が残っている」としながらも、「ひとまず電池効率が商用化可能な5%台に達するため、今後の研究を通じて早い時期に商用化する予定」だとコメントした。
一方、今回の開発は、韓国エネルギー技術評価院による新再生エネルギー核心源泉技術開発事業の支援のもと行われ、その成果は電子ジャーナル「Scientific Reports」に掲載された。
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【翻訳/編集:EE Times Japan】
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