GLOBALFOUNDRIESは、22nm FD-SOI(完全空乏型シリコン・オン・インシュレータ)プロセスの導入について、2016年末の量産開始を目指すという。同社は「28nm FinFETと同程度のコストで、14nm FinFETと同等の性能を実現できる」としている。
GLOBALFOUNDRIESのディレクタ兼設計エンジニアであるGerd Teepe氏が、フランスCEA-Leti(フランス原子力庁の電子情報技術研究所)主催のFD-SOI(完全空乏型シリコン・オン・インシュレータ)ワークショップに姿を現した。同氏が参加したということは、GLOBALFOUNDRIESが近々、FD-SOIに関する重大な発表を行うのではないかといううわさが、信ぴょう性を帯びてくる。
Teepe氏は、GLOBALFOUNDRIESのFD-SOIに関する今後の予定について、概要を明らかにした。同社のFD-SOI関連の重要な計画については、これまでしばしば外部に漏れていたが、同社は決してそれを認めようとはしなかった。しかし、Teepe氏が今回、正式ではないにしろ発表を行ったことで、その件を暗に認めたことになる。
Teepe氏は今回、はっきりしない状況を表向きには終わらせようと、フランスのグルノーブルに赴いたようだ。
同氏は、「GLOBALFOUNDRIESは現在、22nm FD-SOIプロセス技術の開発に取り組んでいる。2016年初頭までには同プロセス技術を実現し、2016年末までに量産を開始することを目指す」と述べる。また同氏は、22nm FD-SOIプロセス技術において必要な点について問われると、「フロントエンドではSTMicroelectronicsの14nm FD-SOIを、バックエンドでは28nm FD-SOIをそれぞれ採用する」と答えている。
GLOBALFOUNDRIESは、FD-SOIの最初の顧客層として、SoC(System on Chip)の量産を手掛ける開発メーカーを想定しているようだ。Teepe氏は、「これらの顧客企業は、自社のSoCの性能向上を目指しながらも、最も重要視しているのは“手ごろな価格”だ。当社の22nm FD-SOIソリューションは、28nm FinFETと同程度のコストで、14nm FinFETと同等の性能を顧客企業に提供することができる」と述べる。
GLOBALFOUNDRIESによると、最初に22nm FD-SOIを大量に投入することで、SoC市場を攻略していく予定だという。Teepe氏は、「その数年後には、ウェアラブルなどの他の製品をターゲットとして、FD-SOIの超低消費電力戦略を適用していきたい考えだ。そのころには、こうした製品の普及が加速し始めると予測している」と説明する。
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