2015年12月にも規格策定が開始される予定の5G(第5世代移動通信)。スケジュール面では相当厳しいという印象は否めないが、業界全体の動きは加速しつつある。
5G(第5世代移動通信)の実用化に向けた取り組みが、ようやく本格的に動き出そうとしている。3GおよびLTE規格の策定を手掛ける3GPPは、5G規格の策定に向けた取り組みを2015年12月にも開始する予定だ*)。
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5Gの実用化については、まず2018年の平昌(ピョンチャン)オリンピックでトライアルとして導入し、その後2020年の東京オリンピックに合わせて商用サービスを展開するというのが、業界で一般的に考えられているスケジュールだ。
キーサイト・テクノロジー 電子計測本部 マーケティングセンター マーケットデベロップメント 統括マネージャーを務める北野元氏は、「これが、おそらく世界で最も意欲的なスケジュールではないか」と述べている。
今冬に規格策定の開始が見込まれてはいるものの、5Gは要件が多い割に現時点ではほとんど何も決まっていないのが実情だ。そのため、NTTドコモやEricsson、Nokia Networks、Verizon Wirelessなどの通信機器事業者が、さまざまな技術の実証実験を行っていて、その成果を発表している*)。
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ただし、2020年に商用サービスを始めるには、3GPPがRelease 13、あるいは14で決めていかなければ間に合わない*)。Release 14では、ほぼ全ての要素技術について、全員の合意が得られていなければならないという。さらに、2016年末か2017年には、こうした合意を得て、かつ実証実験も終わっている必要がある。このようなスケジュールでは、業界に焦りが見られるのも当然だろう。なお、3GPPは2015年3月に、5G規格化の暫定的なスケジュールを公開している。
*)現行のLTEは、Release 10以降である。
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