無線センサーネットワーク技術「dust networks」(ダスト・ネットワークス)の普及を目指すダスト・コンソーシアムは、動作温度範囲を拡大した新製品や、ノード間の通信距離を延長できる新型モジュールなど製品ロードマップなどを明らかにした。
無線センサーネットワーク技術「dust networks」(ダスト・ネットワークス)の普及を目的に設立されたダスト・コンソーシアムは2015年7月21日、東京都内で「第2回発表会」を開催した。動作温度範囲を拡大した新製品や、ノード間の通信距離を延長できる新型モジュールなど、製品ロードマップなどが明らかとなった。
ダスト・ネットワークスの無線技術(SmartMesh)は、IEEE802.15.4に準拠した物理層を用いた2.4GHz帯のセンサーネットワーク向け技術である。この技術を保有していたDust Networksをリニアテクノロジーが2011年に買収し、「ダスト・ネットワークス」ブランドで無線センサーネットワークビジネスを展開している。さらに、リニアテクノロジーは、普及活動を本格的に展開するため、2014年10月にダスト・コンソーシアムを設立した。
2回目となる今回の発表会ではまず、同コンソーシアムの事務局長を務める小林純一氏が、「ダスト・ネットワークスのビジネストレンド」について語った。コンソーシアムへの参加企業は、2014年10月の初回会合が71社であったのに対して、今回は参加企業が104社に増えた。ハードウェア企業に加え、システムインテグレータの増加が特に目立っているという。
また、スタータキットの販売台数もこれまで累計100個を超えていることを紹介した。小林氏は、「これから2〜3年以内に、スタータキットの販売台数も累計500台となり、このうち100〜150台は実際のシステムに用いられるだろう」と述べた。急速に採用検討が拡大している背景として、ダスト・ネットワークスの特長でもある「シンプル」「レジリエント」「セキュリティ」の3点を挙げた。
ダスト・コンソーシアム事務局の水谷章成氏は、「ダスト・コンソーシアムの概況とロードマップ」について述べた。冒頭、最新の会員数が166人に達し、入会企業/団体数は108社/団体となっていることを明らかにした。続いて、2015年5月に開催された「ワイヤレスジャパン2015」会場で実施したダスト・ネットワークスの接続実験の概要を紹介した。それによると、リニアテクノロジーや東京エレクトロンデバイスなどのブースに、合計16個のネットワークマネージャと100個以上のMote(モート)を設置し、ネットワークの接続実験を行った。水谷氏は、「これだけ多くのモートを接続して送受信しても、衝突するような問題は生じなかった」と語った。
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