HBM(Hottinger Baldwin Messtechnik)は、トルク容量が400kN・mまで対応できる「DAkkS認定トルク校正マシン」をDAkkS校正試験所に導入した。校正証明書発行までの時間を大幅に短縮することが可能となる。
HBM(Hottinger Baldwin Messtechnik)は2015年8月、トルクの容量が400kN・mまで対応できる国家基準の「DAkkS認定トルク校正マシン」をDAkkS校正試験所に導入したことを発表した。今後は自社で製造/販売する全トルクセンサーの校正試験を自社内で行うことができるため、校正証明書が発行されるまでの時間を大幅に短縮することが可能となった。
HBMは、これまでもドイツ国内に高精度の校正試験所を保有し、トルクセンサーの校正試験を行ってきた。しかし、同社の既存テストラボで対応できるトルク容量は25kN・mまでで、これを超える場合は、校正試験をPTB(Physikalish Technische Bundesanstalt)に委託してきた。ところが、PTBの校正証明書は、発行されるまでに1年を超える時間を要することもある。このため、システム開発者は発行されるまでの期間を事前に盛り込んでおく必要があった。
こうしたことからHBMは、DAkkS校正試験所に数億円規模を投資し、トルク容量が400kN・mまで対応できるトルク校正マシンを新たに設置した。「この装置を導入するのは民間企業としては初めて」と話す。
HBMは、装置導入により同社製トルクセンサーの全製品について、社内で校正試験を行うことが可能となった。これにより、製品の測定レンジや測定精度を保証する校正証明書の発行期間を大幅に短縮できる見通しだ。
HBMは、ひずみ計測技術で多くの実績を持つドイツの計測機器メーカーである。日本国内では、非接触フランジ型のトルクセンサー/変換器が、自動車メーカーなどに数多く採用されているという。
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