事の始まりは、次女の「パパの帰省に付いて行く」のひと言でした。
ここ2年ほどの間、ゴールデンウィーク、お盆、正月の会社の長期休暇は、家族を残して、一人で実家に帰省しています。実家で一人暮らしをしている父の食事、洗濯、家の修理、そして、養護ホームに入っている母の見舞い(洗濯物の回収)を行っています(普段は実家の近くに住んでいる姉がやってくれています)。
休暇期間中、実家で仕事をすることになるので、デスクトップPCや24型ディスプレイを抱えて、一人で新幹線に乗り(だから、こういう事故を起こす)、実家で自宅と同じ環境を作っています。
しかし今回、次女が付いてくるとなれば、それなりに娯楽を提供してやらなくてはかわいそうだと考えました。なにしろ、私は終日、家事か仕事をして1日を過ごし、実家にいる間、彼女はどこにも出かけることができないからです。
これらの状況を説明しても、なお、次女が「付いて行く」というので、「実家のテレビで、好きなアニメを見られるようにしようか?」と提案したところ、大変喜んでいました。
しかし、私のPCは仕事で使うので、大至急、もう1台のPCを入手する必要がありました。
そして、この―― 「大至急」が、今になって思えば、「ネット詐欺」の餌食(えじき)となる要因だったのです。
私は、動画をスムーズに動かすだけの能力があり、かつ最も安い中古PCを、できるだけ早く入手する必要がありました。ネットで調査しているところで出てきたのが、これでした。
このPCは、私がヤフオク!で1万円程度で落札し、家族で共用しているものと同機種でした。この広告のPCでは、さらにメモリが2GB多く搭載されており、価格も8000円程度でした。そして、この8000円という価格が曲者(くせもの)でした。
―― 不信感を持たれない市場相場を知り尽した、絶妙な値付け
型落ちのPCの在庫を処分したいと考える個人業者であれば、この値段で放出しても良いだろうと考える、ギリギリの値段です(もう2000円安ければ、私も『変だな』と思えたかもしれません)。
私としては、同機種であれば、自宅のPCの設定をそのまま使えるので、セッティングでラクができそうという下心もありました。
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