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ナノインプリント開発の進展状況をキヤノンが講演(4)〜「パーシャルフィールド」への対処SEMICON West 2015リポート(11)(1/2 ページ)

今回は、露光の際にシリコン・ウエハー周辺部で発生する現象「パーシャルフィールド」をもう少し掘り下げて解説しよう。このパーシャルフィールドについてキヤノンは、3種類に分けて対処しているという。

» 2015年09月15日 10時30分 公開
[福田昭EE Times Japan]

露光領域数の約3割がパーシャルフィールド

 SEMICON West 2015リポートの第8回から、キヤノンがナノインプリント・リソグラフィ開発の状況を講演した内容をご報告してきた。講演タイトルは「Nanoimprint System Development and Status for High Volume Semiconductor Manufacturing」、講演者はキヤノンの米国子会社Canon Nanotechnologiesでマーケティングおよび事業開発担当のバイスプレジデントを務めるDouglas J. Resnick氏である。

 前回では生産性(スループット)と欠陥密度の関係を説明したほか、ナノインプリント・リソグラフィ技術には特有の課題「パーシャルフィールド」が存在することを指摘した。

 「パーシャルフィールド」とは、シリコン・ウエハーの周辺部では露光領域に対してウエハーの領域が不足し、実質的な露光領域が部分的(パーシャル)になるフィールドを指す。これは露光領域が長方形であるのに対し、ウエハーが円形であることが原因である。

 直径300mmのシリコンウエハーで、露光領域が横26mm×縦33mmであり、露光領域間の境界線(ストリート)が幅0.05mmだとすると、露光領域の総数は84カ所になる。その中で26カ所がパーシャルフィールド、残りの58カ所が露光領域全体をウエハーでカバーする領域(フルフィールド)になる。フィールド数の31%が、パーシャルフィールドだということだ。これは無視できない数だ。シリコンダイの収量を稼ぐためにはフルフィールドだけでなく、パーシャルフィールドも活用することが量産コストを下げる前提となる。

photo フルフィールドとパーシャルフィールド。露光領域が26mm×33mm、露光領域間の境界(ストリート)の幅を0.05mmとすると、直径300mmのウエハーでは84カ所の露光領域が存在する。その中で26カ所がパーシャルフィールドになる(クリックで拡大)
photo フルフィールドとパーシャルフィールド。左側はフルフィールド(上)とパーシャルフィールド(下)で充てん時間を1秒としたときにレジストが充てんされる様子(実際の講演は動画が埋め込まれていた)。右側は直径300mmのシリコン・ウエハー全体にインプリント技術でパターンを転写した後に撮影した写真(クリックで拡大)
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