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5GからWi-Fi Callingまで、注目技術が一堂に!エリクソンの無線技術に触れる(1/2 ページ)

エリクソン・ジャパンは日本創業30周年を記念し、国内顧客を中心としたイベントを開催した。当日は記者説明会に加えて、同社の最先端の技術を用いたソリューションを展示。5G無線テストベッドのライブデモの他、最新の無線端末、Wi-Fiだけで通話が行える「Wi-Fi Calling」などが展示された。

» 2015年09月16日 10時30分 公開
[庄司智昭EE Times Japan]

 エリクソン・ジャパン(以下、エリクソン)は2015年9月14日、日本創業30周年を記念し、国内顧客を中心としたイベント「NETWORKED SOCIETY DAY」を開催した。当日は、2015年8月から社長に就任したMikael Eriksson氏と野崎哲氏の両社長が事業方針を説明した後、同社最先端の無線技術を用いたソリューションの説明が行われた。

 5G無線テストベッドのライブデモやビッグデータ解析を用いたユーザー動向レポート、大型イベントにおけるユーザーエクスペリエンス向上のためのソリューションなど多くの展示が行われていた。本記事では、特に最新の無線技術について主に紹介する。

Wi-Fiだけで通話ができる?

 最初に紹介するのは「Wi-Fi Calling」だ。Wi-Fi Callingは、スマート端末のセルラー電波がなくてもWi-Fiのみで電話番号を使って通話ができたり、SMSを送受信できる。Wi-Fiを通じて事業者のゲートウェイを通り、それぞれの携帯会社につながる仕組みだ。

 海外の場合、日本ほど基地局が整備されておらず、地下やエレベーターの中ではつながりにくいのが当たり前といった状況だ。しかし、日本と対照的に、海外はWi-Fiのアクセスポイントが日本より多い。ここから、Wi-Fiに接続さえすれば通話やSMSを送受信できるWi-Fi Callingが生まれたという。

 今まではWi-Fiを用いてインターネットやEメールは活用できたが、セルラー電波がなければ電話番号を用いて電話をすることができなかった。しかし、Wi-Fi Callingを使うことで、電波が届かない屋内や過疎地のカバレッジソリューションや超小型基地局フェムトセルの代替ソリューションとして効果を発揮することが期待される。海外旅行の際もデータローミング料金を支払わずに済むのは便利な点といえるだろう。

左=「Wi-Fi Calling」に対応したスマート端末を「機内モード」にして電波が入らないように設定する。その後、説明会の会場「虎ノ門ヒルズ」のWi-Fiに接続している/右=電話番号はモザイクで隠しているが、Wi-Fi Callingによって、通話できることがデモで分かった (クリックで拡大)

 Wi-Fi Callingは2007年より、T-mobile USAが初めてサービスを開始し、Sprintもサービスの提供を始めている。2015年中にはAT&Tがサービスを開始するという。

 Wi-Fi Callingに対応する端末には「iOS 8」以降の「iPhone」や「Samsung Galaxy」などのAndroid端末がある。エリクソンは「2015年中により多くの事業者がWi-Fi Callingを開始する見通しとなっている。しかし、日本国内では品質の保証や規制の関係で採用する見通しは立っていない」と語る。

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