今回は、ナノインプリント・リソグラフィ技術の開発ロードマップを紹介しよう。キヤノンは現在、インプリント装置の第1世代機の開発を終えたところで、今後5年間で第2および第3世代機の開発に取り組んでいく予定だ。インプリント装置のターゲットは、NAND型フラッシュメモリとDRAM、ロジックICである。
SEMICON West 2015リポートの第8回から、キヤノンがナノインプリント・リソグラフィ開発の状況を講演した内容をご報告してきた。講演タイトルは「Nanoimprint System Development and Status for High Volume Semiconductor Manufacturing」、講演者はキヤノンの米国子会社Canon Nanotechnologiesでマーケティングおよび事業開発担当のバイスプレジデントを務めるDouglas J. Resnick氏である。
前回ではナノインプリント・リソグラフィ技術に特有の課題「パーシャルフィールド」を説明するとともに、キヤノンの対処方法を解説した。今回はインプリント装置の開発ロードマップをご報告する。
講演者のResnick氏は、インプリント技術に関する講演のまとめとして、開発ロードマップを提示するとともに、インプリント装置の概要を説明した。
インプリント装置の開発ロードマップは、2014年〜2020年の期間を対象とした。2019年〜2020年には、スループットが1時間当たりで300mmウエハーを200枚という、現在のArFスキャナ装置用量産機に近い生産性のインプリント装置を開発するのが目標である。4台のインプリント装置をまとめたクラスタ構成で、このスループットを達成する。すなわち装置1台当たりのスループットは50枚/時間である。
2014年〜2015年に開発したインプリント装置の初代機はシングル構成で、スループットは10枚/時間である。装置1台当たりのスループットで見ると、およそ5年で5倍に向上させることになる。
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