「CEATEC JAPAN 2015」のNHK/JEITAのブースでは、4Kおよび8Kの液晶TVがずらりと並び、次世代TV技術として注目されているHDR(High Dynamic Range)対応TVも展示された。かつてのようにTVの話題が大きく取り上げられることはなくても、4K TVは着実に普及が進んでいることがうかがえる展示となっていた。
2015年10月7〜10日に開催された「CEATEC JAPAN 2015」(幕張メッセ)において、NHKとJEITA(一般社団法人 電子情報技術産業協会)は、4K/8Kの液晶TV(以下、4K TV/8K TV)を中心に展示を行った。まず目を引いたのは、さまざまなサイズの4K TVだ。JEITAは、40型、49型、55型、65型のTVを展示した。
JEITAの説明担当者は、「4K TVでは、基本的に40型以上でその真価を発揮できると以前からいわれてきたが、それは変わっていない。現在、40型と(4K TVとしては)小型なサイズも出ているが、家庭向けで最も売れているのは55型と65型である」と話す。実際、各メーカーが販売している4K TVのラインアップをJEITAがまとめたところ、55型と65型の機種が最も多くなっている。「一度大画面のTVを購入すると、それよりも小さいサイズには戻れないという声が多い。フルHDで32型を購入した消費者は、4K TVでは当然それよりも大きいサイズを欲しがり、55型や65型がごく一般の家庭のリビングルームに置かれ始めている」(担当者)。
なお、高精細ばかりに目がいってしまう4K TVだが、狙いはそれだけではない。視野角の広さにもある。JEITAは「4K TVは視野角が60°と、フルHDに比べて2倍になっている。このため、臨場感と没入感をより体感できる。実は、解像度そのものよりも推したいポイントは視野角だ」と話す。
コンテンツも増え始めている。衛星放送では、スカパー!が2015年3月に4K専門チャンネルを開局。ケーブルTVでは、J:COMオンデマンドが同年5月に4Kサービスを開始した。動画配信サービスでは、Netflixが4K対応のサービスを用意している。さらに、JEITAによれば、コンテンツそのものは4Kに対応していなくても、アップコンバート技術の進歩により、フルハイビジョンの番組もあまり違和感なく4Kテレビで見られるようになってきているという。
2016年には、BS放送で4Kの試験放送が始まる。そうなれば、コンテンツの増加がこれまで以上に加速する可能性がある。
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