特に配線ケーブルの軽量化は、車両全体の重量削減に直結する。その結果として燃費が改善されCO2削減につながることから、自動車メーカーもBroadR-Reach導入を本格的に検討しているようだ。「車両のメンテナンスや技術者のトレーニングといった視点からも、複数のネットワーク技術を混載するより、なるべくイーサネット技術に集約したほうが間接的なコストダウンにもつながる」という。
BroadR-Reachは既に、BMWのX3/X4/X5/X6、i3/i8、6/7シリーズ、ジャガーのXJ/XFおよびフォルクスワーゲンのPassatに搭載された。X5ではサラウンドビューカメラシステムにBroadR-Reach技術が採用されているという。なお、Abaye氏は「イーサネット対応の日本車が日本の道路を走行するのは2020年ごろになりそうだ」との見通しを述べた。
同社は、BroadR-Reachの応用例として、ADAS(先進運転支援システム)やインフォテインメント、及びセントラルゲートウェイやダッシュボードなどにおけるネットワーク環境を挙げた。また、BCM8953xファミリがターゲットとする主な領域は、「駐車/運転支援」「ナビゲーションヘッドユニット」「セキュリティ保護されたゲートウェイ」、そして「リアシートエンタテインメント」とし、この4つに注力していく計画である。
なお、先ごろ横浜で開催された「IEEE Ethernet&IP@Automotive Tech Day」会場で、シングルペア車載イーサネット技術を用いたマルチベンダー相互運用性のデモを行った。デモではDelphi、Molex、TE Connectivity、Yazakiが製造するOPEN Alliance互換ケーブル装置を介し、ブロードコムやNXP、Realtek製の「100BASE-T1」PHY製品による通信のデモが披露された。
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