「IoT向けSoCは、ボタン電池1つで5〜10年動作するような機器に搭載される。このようなSoCに集積する低リーク電流のSRAMや高性能の不揮発メモリなどでは、ムーアの法則に沿って微細化した最新のプロセスを適用するのは難しい」(同氏)。
さらに、IoT向けSoCではコストも重要だ。不揮発メモリやミックスドシグナルRF回路などを追加していくと、レイヤー数が増える。最先端プロセスを適用しようとすると、コストは増大する。性能とコストのバランスを考慮すると、割に合わない場合も多くなる。
Freescale Semiconductorも、こうした「コストと性能のバランス」という圧力に直面しているという。同社のアプリケーションプロセッサ「i.MX」事業部門のバイスプレジデントを務めるRonald Martino氏によると、同社はIoT向けにも展開しているマイコン「Kinetis」で、40nmプロセスを使おうとしているという。28nmプロセスを採用しているi.MXシリーズや、次世代には16nm FinFETを採用することが決まっている同社のプロセッサ「QorIQ」に比べると、1〜2世代遅れたプロセスだ。
だがFreescaleは、IoT市場のそれぞれのセグメントで最も重要視されている要件を見極め、コストと性能を最適化すべく、プロセスを選択している。
IHS Globalで主席アナリストを務めるTom Hackenberg氏は、「5年程前は、アナログやRF回路のプロセスは、デジタル回路に比べて3〜4世代遅れていた。だが今は、だんだんとそのギャップが狭まっている」と説明した。
【翻訳:青山麻由子、編集:EE Times Japan】
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