同研究グループの超解像技術をスマートフォンへ組み込むには、サイズが限られているため、専用のハードウェアや部品の追加は不可能である。そのため、スマートフォン上のCPUやGPUなどの従来より組み込まれているリソースで動作が可能にする必要がある。
同研究グループは富士通と共同開発を2015年3月から行い、非線形信号処理方式のシンプルなアルゴリズムに、富士通の技術を組み合わせることでスマートフォンへの搭載を可能にしたとしている。工学院大学のオープンキャンパスに訪れた人々を対象にした他メーカーのスマートフォン5台を用いた画質評価実験では、解像度1920×1080画素の映像5つ全てで統計的に99%の有意差があったとしている。CPUのパフォーマンスや消費電力に関しても、現状より悪化することはないと確認済みであるという。
「Basilica」の映像を用いた画質評価実験の結果。「**」は、統計的に99%の有意差があり、実験で行われた5つのシーン全てで、99%の有意差が確認されたとしている (クリックで拡大) 出典:工学院大学同研究グループの超解像技術は、海外からも多くの引き合いを受けているという。しかし、合志氏は全て断っているという。その理由を尋ねると、「今回のスマートフォンの採用だけでなく、テレビや医療機器の分野で活躍してもらうことで、私たちは日本のエレクトロニクス業界の発展に貢献したいと思っている。そのため、当技術の特許や知財の提供先は日本の企業を優先していきたい」(合志氏)と熱く語った。
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