オムロンは2015年11月30日、製造現場向け安全対策用センシング技術として、ステレオカメラを用いた「3次元セーフティセンシング技術」を開発したと発表した。同技術は、2015年12月2〜4日に東京ビッグサイトで開催される「システムコントロールフェア2015」で展示される。
オムロンは2015年11月30日、製造現場向け安全対策用センシング技術として、ステレオカメラを用いた「3次元セーフティセンシング技術」を開発したと発表した。現在、活用されている安全体対策用機器と防護柵を組み合わせた方法から、3次元画像を通して、人の侵入や存在を検知する安全対策に置き換えられるという。
3次元セーフティセンシング技術は、同社が強みを持つ製造現場向け安全診断技術と、画像処理技術を融合した技術である。2015年に制定された安全対策機器の国際標準規格「IEC/TS 61496-4-3 Ed. 1.0」に適合。また、ステレオカメラの特徴を生かした同社独自の画像診断アルゴリズムを活用した。振動や温度変化などの環境変化で生じるカメラ光軸のズレを、“故障”か“環境変化”に分けてリアルタイムに識別できるという。
現在の製造現場は作業効率の追求により、高精度な制御やロボットの活用が要求されている。同社は、同技術を活用することによって「防護エリアへの作業者のアクセスに柔軟性を持たせ、作業効率を大幅に改善する」としている。例えば、防護エリアの範囲を最小化することで、工程の能力増強などを行うときのスペース上の余力を生み出せることが挙げられる。防護エリアを逐次変更すれば、機械設備と作業者の双方に生じる“待ち時間”をなくし、生産性を向上させることも可能だ。つまり、高精度な制御やロボットの活用が進む製造現場の要求に対応する、安全性と生産性の向上を両立した技術だという。
3次元セーフティセンシング技術は、2015年12月2〜4日に東京ビッグサイトで開催される「システムコントロールフェア2015」のオムロンブースで展示される予定である。
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