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超高密度のSRAM技術と超広帯域のDRAM技術福田昭のデバイス通信 ISSCC 2016プレビュー(6)(2/2 ページ)

» 2016年01月07日 11時30分 公開
[福田昭EE Times Japan]
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307Gバイト/秒の超広帯域転送を可能にしたHBM2 DRAM

 セッション17に続いて開催されるセッション18のメインテーマは「メモリ」、サブテーマは「広帯域DRAM」である。このセッションでは、データ転送速度を200Gバイト/秒〜300Gバイト/秒に高めたHBM(High-Bandwidth Memory) DRAM技術の発表が相次ぐ。

 Samsung Electronicsは、データ転送速度が307Gバイト/秒と高いHBM2 DRAM技術を発表する(講演番号18.2)。製造技術は20nmのCMOS、電源電圧は1.2Vである。HBMは最大で8枚のDRAMシリコンダイを積層する。ウエハーレベルで実動作速度で検査可能なテスト回路と、複数のオンチップ温度センサーと連動したリフレッシュ制御回路を内蔵する。

 SK Hynixは、データ転送速度が256Gバイト/秒のHBM DRAM技術を報告する(講演番号18.3)。記憶容量は64Gビット(8Gビットのシリコンダイを8枚積層)、入出力チャンネルは8チャンネル、電源電圧は1.2Vである。

 この他、入出力ピン当たりのデータ転送速度が9Gビット/秒と高いGDDR5 DRAM技術をSamsung Electronicsが発表する(講演番号18.1)。記憶容量は8Gビット、製造技術は20nmである。NBTI劣化のモニター回路とジッタの低減回路、分散電源回路を搭載した。

 SK Hynixは、2014年9月に開発を明らかにしたWide-IO2 DRAM*)の技術概要を報告する(講演番号18.4)。データ転送速度は68.2Gバイト/秒と高い。記憶容量は8Gビットである。電源電圧は1.1V。

*)関連記事:SKハイニックス、次世代モバイル用DRAM「Wide I/O 2」を開発――20nmプロセス採用

DRAMのデータ転送速度の推移 DRAMのデータ転送速度の推移。2015年11月16日に東京で開催されたISSCC記者会見の資料から(クリックで拡大)

次回に続く

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