無線、PLCともに、制御用通信プロトコルとしてDALIを採用。DALIは国際規格であり、欧州を中心に普及するが、国内では普及があまり進んでいない。「現状は国内照明メーカーの独自プロトコルが主流だが、ユーザー側はメーカーを問わず利用できるオープン規格を求める声が強く、今後、国内でも普及が進むと判断しDALIを採用した」と説明する。
無線によるソリューションは、920MHz帯無線通信を採用した。
DALIを無線化した場合、伝送遅延を規定内に収めるソフトウェア処理技術がカギとなる。ルネサスでは2015年11月から、武蔵事業所(東京都小平市)の一部オフィスの照明器具を使い実証実験を実施。「実証実験を通じたソフトウェア改良を行った結果、DALI規格を満たす通信を実現した」とし、実用化のめどを付けた状態にある。
一方のPLCによるソリューションは、スマートメーターなどで実績のある独自PLC技術「Flexible PLC」を使用。この独自技術は、さまざまな通信プロトコルに対応できるフレキシブルさが特徴で、DALI通信にも容易に対応。PLCで懸念される耐ノイズ性にも優れ、配線長1kmでも安定した通信が行えるとする。
ルネサスでは、構築した2種のソリューションのレファレンスモジュールを使って、さらに施工業者や照明器具メーカーの反応を確認し、2016年度以降の事業化に向けてソリューションの質を高める方針。その一環として2016年1月13〜15日に開催される展示会「ライティングジャパン」に、DALI規格を推進する欧州照明メーカーHelvarの国内総代理店であるレイオスと共同で出展。LEDネットワーク制御ソリューションのデモを実施するという。
「LED照明にネットワーク制御機能を付加することで、さらに5〜20%の省エネ化が図れるとされる。さらに、調光や調色を時間やシーンに合わせて行うことで、業務効率や学習効果を高められるとの説もあり、ネットワークにつながる照明の価値は高い。ネットワーク化の障壁である設置コストを“Non-Wiredソリューション”であれば、削減できる。今のところ、他ではほとんど実現されていない無線版DALI、PLC版DALIのソリューションをいち早く完成させ、“つながる照明”の需要を取り込んでいく」としている。
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