次にデータの損傷を防止する「パイロット信号」について説明する。基本的な光信号受信は、受信器の持つ波と受信した波が重なる部分を「1」、重なっていない部分を「0」にしてデジタル信号伝送している。しかし、受信する波のタイミングがずれた場合、重なり具合から推定するため信号を正しく判断できず、データの損傷が発生してしまう。
同社は今回、パイロット信号による受信タイミング補正を行う技術を開発したことで、データの受信タイミングによるズレを防いだ。この補正技術は、送信器における11本の整列したサブキャリアに、目印となるパイロット信号を同じタイミングで挿入する。受信するサブキャリアの波のタイミングがずれてしまったとしても、パイロット信号があることで、受信器側で正確に補正できる仕組みである。これにより、データの損傷を防止し、伝送速度1Tbpsの受信を可能にしたとしている。
同社によると、「これらの技術は基礎的な技術は確立されているが、今後は実用化に向けて信号処理の開発を進めていく」という。実用化は、2020年以降になるとした。
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