電子情報技術産業協会は、AV&IT機器の世界需要動向を取りまとめた報告書を発表した。同報告書から、2020年までの国内テレビの4K化率と、4Kテレビの地域別需要について紹介する。
電子情報技術産業協会(JEITA)は2016年2月、AV&IT機器の世界需要動向を取りまとめた報告書『AV&IT機器世界需要動向〜2020年までの展望』を発表した。
同報告書によると、2015年の国内テレビの“4K化率”は12.3%だったのに対して、2020年には6倍弱の70.5%になる見込みという。2015〜2020年の年平均伸び率は、63.7%。「4K/8Kコンテンツの視聴環境整備とともにテレビの4K対応が加速する。通信と連携した放送においても多くが4K対応となるだろう」(JEITA)とした。
4K対応テレビの2015年の世界需要は、最大市場である中国が前年比79.6%増の1380万台になったのに加えて、先進国でも大幅な成長となり前年比134.9%増の2343万台となっている。西欧は408.0%増の450万台、米国は前年比282.9%増の420万台、日本は前年比143.2%増の63万台としている。
2016年以降は、バックライトのLED化などの製品寿命の向上による買い替えサイクルの長期化という懸念がある。しかし、日本は、2018年頃から地上デジタル放送移行時に購入したテレビの買い替え需要が見込まれる。また、2020年開催の東京オリンピック・パラリンピックが需要促進のきっかけとなり、4Kテレビの普及が進むとみられている。中国においても、都市部を中心に本格的な上位製品への需要が高まるとしている。
新興地域でも、「アジア地域では4K対応製品の映像表現力は受け入れられやすいもの」(JEITA)とし、2020年には8673万台に成長すると見込む。地域別でみると中国が3300万台、米国が2453万台、西欧が1800万台、日本が740万台となっている。
同調査報告書は、外部機関で作例された2020年までの需要に関する数値をベースに、JEITAのCE部会傘下の各事業委員会参加者に対して、アンケート調査/ヒアリング調査を実施した結果をまとめている。ここでの「需要」は、買い手が同報告書で扱うAV機器/IT機器を民生市場で購入する数量のことを指す。中古品の購入は含まれていない。
2016年の報告書は、調査対象品目にテレビ放送受信機器/録画再生機器/音声機器/IT機器に加えて、「カーAVC機器(カーナビゲーションシステム、カーオーディオ)」を追加。デジタルビデオカメラ/ステレオセット/ホームシアター音響システムについては、ブラジル、ロシア、インドも調査対象国に新しく加えられている。
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