さて、今回は、私が連載当初から掲げてきたテーゼ「人類は、ダイエットに失敗するようにできている」について考察しましょう。“バーチャル江端”を3人作成し、ファジィ推論エンジンによって、それぞれにダイエットをさせてみたのです。3人の、ダイエットにおける“生き様”をご覧ください。
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後半では、前半で検討したパラメータを使って、ファジィ推論エンジンを搭載した”バーチャル江端”によるシミュレーションを行います。
その前に、簡単にファジィ推論について説明します。
ファジィ推論は、ひと言でいうと、複数の”If A then B”からなるルールを使って推論を行うもので,”A”や”B”にファジィ表現を取り扱うことができるという点に特徴があります。ファジィ表現とは、例えば「暑い」という言葉を、20℃以下ならで0.0, 25℃なら0.5, 30℃以上なら、1.0として扱う関数として表すことをいいます(なんとなくイメージして頂ければ結構です)。
ファジィ推論のすごいところは、このようなファジィ表現を、ファジィ表現のままで、”If A then B”のルールに突っ込むことが可能で、さらに、その結果もファジィ表現のまま取り出すことができる、という点にあります。
【付録1】に、min-max簡易ファジィ推論法の一例を書いておきましたのでご参照ください。前件部の出力結果の最小値を使って後件部の出力を算出し、その出力の最大値の平均値を使って、ファジィ表現を1の推論結果の値とする手法です(理屈は簡単なので、興味のある人は、検索エンジン等で調べてみてください)。
今回、ファジィ推論エンジンを使って作った、”バーチャル江端”は、以下の3人です(プログラムは、付録で全て公開します)。
“バーチャル江端”の稼働条件は以下の通りです。
では、3人の”バーチャル江端”たちが、実際にダイエットに失敗していった全行程をお見せます。
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