価格優位性は2つの点で実現していく。1つは6インチウエハーを用いた新工場の稼働である。4インチウエハーを用いて製造する場合に比べて、ウエハー1枚あたりの収量が増加し、量産効果が得られるという。
もう1つはLED製品の発光効率である。チップを製造するプロセス技術や、光を効率よく取り出すための設計技術、封止材料や蛍光体材料の技術、さらには放熱設計技術などが、発光効率に大きく影響するという。これらの技術を全て持ち合わせているのが同社の強みである。「LED製品の発光効率を20%改善すると、LED製品のコストは半分に抑えることができる」(瀧氏)という。
同社のLED製品は、指向角や温度特性にも特長がある。LED製品の指向角は120°が一般的だが、同社は指向角が80°と150°の製品を用意している。一般的なLED製品では狭角にするためレンズを用いるが、そこでロスが生じることになる。一方、混色にする場合は指向角の広い方が、演色性に優れた光を出力できるという。
複数色のLED製品を同時に点灯させる場合、各LED製品の温度特性も重要となる。LED製品は使用する材料によって発光色や光出力の温度特性が異なる。このため、青色、赤色、緑色のLED製品を同時に点灯しても、LED自体の温度が上昇してくると、発光色によって出力低下の度合いが異なる。このため、一定期間経過すると明るさにばらつきが生じるという。これらの課題に対して同社は、青色LED製品をベースに蛍光体を組み合わせて赤色LED製品などを作製するため、「素子の温度変化に対して色の変化度合いが極めて小さく、光出力は安定している」(瀧氏)という。
これ以外にも、演色性を高めた製品や、緑色と黄色を抑えた「ブリリアントホワイト」製品、色のコントラストなどがHIDランプとほぼ同等の「ブリリアントカラー」製品などを用意している。さらに、植物育成に適した波長をもつLED製品などもある。屋外用途の高出力LED製品では、基板材料を見直すことで低価格化を図った製品も今後、ラインアップしていく予定である。
LEDセミナーでは、照明用LEDの他、「イルミネーション用レーザー&照度センサー」「バックライト用LED新技術“Quantum Colors”」「ステージ照明用LED」「車載照明」についても、同社の戦略や製品展開などについて紹介した。
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