日置電機は、「スマートエネルギーWeek2016」で、リチウムイオン電池向けの電極抵抗測定器を参考展示した。合材層(活物質層)の体積抵抗率と界面抵抗(接触抵抗)を求めることができるという。
日置電機は、「スマートエネルギーWeek2016」(2016年3月2〜4日、東京ビッグサイト)で、リチウムイオン電池向けの電極抵抗測定器を参考展示した。測定プローブを電極に接触させることで、合材層(活物質層)の体積抵抗率と界面抵抗(接触抵抗)を求めることができるという。
リチウムイオン電池に用いられる電極の性能は、電池自体の寿命や品質に影響を及ぼす可能性があるといわれている。しかし、これまでは容易に測定できるプローブがなく、合材層の抵抗率や界面抵抗は十分に評価されてこなかったという。
同社は、46本の計測用ピンを備えた測定用プローブを新たに開発した。測定用治具を使って、このプローブを電極に接触させる。その後、電極表面から定電流を印加し、その時の表面電位分布から、合材層の体積抵抗率及び、合材層と集電体との界面抵抗を計算で算出するという。
測定に当たっては、合材層の厚みや集電体の体積抵抗率と厚みを、事前に設定しておく必要がある。測定電流は直流の50mA/10mA/1mA/100μA/10μA、電圧測定レンジは10〜0.1Vである。測定速度は測定時間と解析時間を合わせて約1分となる。
同社の測定評価によれば、合材層の体積抵抗率と界面抵抗は、導電助剤の量が増えると小さくなる。導電助剤の量を同じにして、電極材料をアルミ箔とカーボンコート箔に変えたところ、カーボンコート箔の界面抵抗は、アルミ箔に比べて10分の1以下になることが分かった。合材層の体積抵抗率はほぼ同じ数値を示したという。これ以外にも、電極密度と界面抵抗/合材層抵抗率の関係について、同測定器を用いて確認している。
「参考展示品は開発中ではあるが、電子材料の評価機関や電池メーカーの研究開発部門など、一部の顧客に対し評価用として測定器を提供している」(説明員)と話す。
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