Googleは、同社の大規模なデータセンターのサーバを、Intelのx86からIBMの「POWER」に移行すべく、準備を進めているという。ARMサーバへの移行も想定されているが、可能性としては低いようだ。
Googleは、米国カリフォルニア州サンノゼで2016年4月5日〜8日に開催された「OpenPOWER Summit 2016」において、IBM POWERサーバへの移行に向けた準備がほぼ整ったことを明らかにした。既に、2年前に開発した数多くのGoogleアプリや自社のインフラストラクチャソフトウェアの大半を、IBMのサーバ用CPU「POWER8」に移植済みだという。
Googleで、データセンター向けハードウェアを担当するプラットフォームグループのエンジニアリングマネジャーを務めるMaire Mahony氏は、「ソフトウェア開発メーカーは、単に設定ファイルのフラグを修正するだけでよい」と述べている。同氏は、IBMのPOWERアーキテクチャを利用したオープンアライアンスである「IBM OpenPOWER Foundation」のディレクタも務めている。
Googleは現在、小規模データセンターを対象としたサービスプロバイダーであるRackspaceとの協業により、「POWER9」を搭載したサーバ「Zaius」の開発に取り組んでいる。Zaiusは、POWER9チップを2個搭載し、DDR4 DIMMスロットを32個と、PCI Express Gen 4対応ソケットを備える他、IBMのインタフェース「CAPI(Coherent Accelerator Processor Interface)」、NVIDIAの高速インターコネクト技術「NVLink」を採用するという。48Vラックに対応した48Vサーバとなる予定だ。
IBMは今回のイベントにおいて、POWER9に関するロードマップを初めて明らかにした。POWER9は、24個の新型コアを搭載し、改良したCAPI/NVLinkを採用する他、IBMがまだ発表していない最新の25Gビット/秒のインターコネクトを備えるという。
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