ロームは、48Vの入力電圧から直接3.3/5Vに降圧して出力することができるDC-DCコンバーターIC技術を開発した。車載機器や産業機器などの電源システム用途に向ける。
ロームは2016年4月、48Vの入力電圧から直接3.3/5Vに降圧して出力することができるDC-DCコンバーターIC技術を開発したと発表した。効率が高く安定動作の電源システムを実現することができるという。車載機器や産業機器などの電源システム用途に向ける。
車載システムでは、燃費の改善などに向けて48V電源システムを搭載したハイブリッド車(HEV)が注目されている。ところが、車載用マイコンや主要な制御システムでは、一般的に駆動電圧として3.3/5Vを用いることが多い。このため、車載バッテリーから供給される電圧を降圧して用いなければならないが、現状ではいったん12Vなど中間電圧をつくり、2段階で必要な電圧へ降圧する必要があった。これがトータルの電源効率を悪化させる要因の1つとなっていた。新たに開発したDC-DCコンバーターIC技術だと、1つのICで48Vの入力電圧から直接3.3/5Vに降圧し、出力することが可能となる。
新開発のDC-DCコンバーターIC技術は、短時間でパルスを制御する独自技術により、20ミリ秒のスイッチングオン時間を達成した。従来製品に比べると約1/6になるという。これにより、2MHzの高速スイッチングが可能となり、48Vの入力電圧から出力電圧3.3Vを安定して供給することが可能となる。ラジオ周波数との干渉もない。
また、短いパルス幅で電流を制御できる電流モード制御を採用している。このため、異常発振を防止するための位相補償を、比較的容易に実現することができるという。2個の外付け部品を用いるだけで、幅広い入力電圧範囲で安定動作が可能となる。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.